2025年3月10日
【わかりやすく解説】VIX 恐怖指数とは トランプ政権で上昇の理由

【わかりやすく解説】VIX 恐怖指数とは トランプ政権で上昇の理由
トランプ大統領の関税政策は依然として不透明性が高く、市場は揺さぶられ、リスクオフから株式市場は下落が目立っています。今回は最近の市場を、恐怖感をを示す「VIX指数」と政策の不確実性を示す「EPU(Economic Policy Uncertainty Index)」から分析し、市場が懸念するリスクについて紐ときます。
本記事ではWoodstock経済部の山本が、
- VIX指数って何?
- VIX指数が上昇したイベントとは?
- 今後市場で懸念されるリスクは?
そんな疑問を持った方に向けて、最新の市況を用いながら分かりやすく解説していきます。
(本記事では現状を分析した上で筆者個人の見解を述べるに留まり、決して株価、企業の将来を保証したり、特定の政治的思想を支持するものではありません。)
- 1.市場が懸念するリスクを可視化する
- 1-1 VIX指数(恐怖指数)
- 1-2 EPU(Economic Policy Uncertainty Index)
- 2.市場と照らし合わせてみよう
- 3.市場に潜在するリスク
- 3-1 短期的リスク「関税政策の不透明感」
- 3-2 中期的リスク「スタグフレーション」
- 3-3 長期的リスク「財政悪化」
- 4.まとめ
- 投資×SNSで米国マーケット情報をゲットしよう!
1.市場が懸念するリスクを可視化する
1-1 VIX指数(恐怖指数)
VIX指数とはボラティリティ指数とも呼ばれ、投資家の不安や市場の変動性を表す指標です。今後30日間のS&P500指数オプションの予想ボラティリティを基に算出され、VIX指数が高いと市場のボラティリティが高く、低いと市場が安定していることを示します。数値の目安として20未満は低リスク、30以上は高リスクとなっています。2024年のVIX指数を辿ることで市場は何に恐怖を感じていたのかを知る事ができます。例えば、2008年に起きたリーマンショックではVIX指数は80を超えており、市場が極度のパニック状態であった事がわかります。
VIX指数は、1987年のブラックマンデー(10月19日、ダウ平均が1日で22%暴落)を受けて、市場のボラティリティを測る指標の必要性が高まりました。その後、1993年にCBOEが初めてVIX指数を公表しました。当初はS&P 100指数のオプションを使って計算されていましたが、2003年にS&P 500指数のオプションを基に算出する方式へ変更され、より市場全体のリスクを反映する指標となったのです。
1-2 EPU(Economic Policy Uncertainty Index)
Economic Policy Uncertainty(EPU)指数は、経済政策の不確実性を測る指標です。政府の方針が不透明になると、企業や投資家は将来の見通しを立てにくくなり、市場が不安定になります。EPU指数は、新聞記事の分析をもとに算出され、「経済」「政策」「不確実性」といった言葉を含む記事の数をカウントします。また、税制や政府支出の変化、エコノミストの経済予測のばらつきも考慮されます。指数が高いと、政策リスクが高まり、企業の投資や市場の動向に影響を与える可能性があります。例えば、大統領選挙や戦争、金融政策の急な変更時にEPUは上昇しやすくなります。指数の見方としては数値が100を下回ると政策が安定していると見なされ、200を超えると政策、市場が不安定であるとされています。
2.市場と照らし合わせてみよう
上述したリスクが可視化されている二つの指標の見方は、
- VIX指数:20未満はリスク⇩ 30以上はリスク⇧
- EPU:100未満はリスク⇩ 200以上はリスク⇧
このようになっています。
では最近の市場をこの2つの指標を組み合わせながら見てみましょう。
「NASDAQ総合指数(青)とVIX指数(赤)の推移」 / 出所:TradingView(2025年3月10日日本時間18時現在)
このチャートでは、NASDAQ総合指数とVIX指数の推移を比較しています。2025年二月に入ると逆の相関性が強くなっていることが分かります。
VIX指数は市場が強い恐怖感を抱いている基準値の30には到達していないものの、じわじわと上昇している事が分かります。
「EPUの推移」/ 出所:Economic Policy Uncertaintyより筆者作成
また、二つ目のチャートはEPUの推移を示しています。直近(2025年2月)では指数は不確実性が高まっている事を示す基準値の200を上回っています。過去一年間では最も高い値となっており、トランプ氏主導の経済政策はより一層不透明感が高まっている事が分かります。
同氏が推し進める関税政策は、ディールとしての手段である側面が強く、実際にどこまで実行に移すのかは不確実です。それを顕著に示す一例がカナダとメキシコに対する関税政策です。そして、関税政策はメキシコ、カナダ、中国に留まらず、ヨーロッパやアジアにもその手を伸ばしつつあり、世界経済への影響力から市場は感度が高くなっている模様です。
米投資銀行各社でも、政策の影響から株式市場を不安視する声が上がっています。ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏はS&P500の増益率見通しを11%から9%へ下方修正。Stifelのバリー・バニスター氏は、2025年後半にS&P 500指数が現在の水準から10%下落し、5,500前後になると予想しています。これは、経済成長の鈍化と持続的なインフレを背景にしています。また、BCAリサーチのピーター・ベレジン氏は、2025年に景気後退が迫っているとして、S&P 500指数が4,200まで下落する可能性があると指摘し、投資家に対し、株式から離れ、生活必需品、ヘルスケア、公益事業などの防御的セクターへの投資を推奨しています。
3.市場に潜在するリスク
3-1 短期的リスク「関税政策の不透明感」
トランプ氏は対中関税の再強化やカナダ・メキシコ・EUなどとの貿易交渉に積極的に望んでおり、米国の貿易政策の不透明性が再び高まっています。特に、同氏は政策の本気度が不確実であり、株式市場はリスクオフの姿勢が強まっています。この動きはこの先も短期的には続くと見られるので注意が必要です。
3-2 中期的リスク「スタグフレーション」
市場は関税の引き上げは、輸入品の価格上昇を通じてインフレ圧力を高めるとの見方を強めています。一方で雇用ではADP雇用統計、2月の雇用統計は市場予想を下回り、懸念が高まっています。FRBはインフレ抑制のために高金利を維持する可能性が高く、その結果として高金利+物価上昇+雇用停滞=スタグフレーションの状況が生まれる可能性が高まっています。1970年代のスタグフレーション時にはS&P 500が3年間で約50%下落しましたが、市場では「第二次トランプ政権下でも同様のリスクがある」と警戒されています。
3-3 長期的リスク「財政悪化」
トランプ氏は以前の政権で減税を推進し、財政赤字が大幅に拡大しました。第二次政権ではさらに法人税や所得税の追加減税が予想され、赤字のさらなる増加が懸念されています。2023年度の財政赤字は約1.7兆ドルでしたが、第二次トランプ政権での大規模減税や軍事費増額によって3兆ドルに達する可能性も指摘されています。長期的に財政赤字が拡大すれば、米国債の信用低下やドル安が進み、株式市場の不安定要因となります。
4.まとめ
株式市場はトランプ氏に対して以前から楽観的な印象を持っており、多くの専門家や投資銀行が米国市場は堅調な伸びを維持すると発言してきました。しかしながら最近では政策の不透明性が強まり、市場も調整局面に入っています。その背景には不透明感が起因する「リスク」の高まりがあると思います。今回はそのリスクに焦点を当てて記事を執筆しました。紹介したVIX指数、EPU、ともにリスクが可視化されている指数であり、市場を俯瞰する際に役立つかと思います。今後の市場もボラティリティが高く、先行きが不透明な構図は変わらないかと思います。一喜一憂せず、リスクと向き合うことが大切になりそうです。
参考文献
- Baker, S. R., Bloom, N., & Davis, S. J. (2025). Economic Policy Uncertainty Index. Retrieved from https://www.policyuncertainty.com/us_monthly.html
- Bloomberg. (2025, March 3). Goldman’s Kostin Warns S&P 500 Rally Faces Hurdles in Near Term. Retrieved from https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-03-03/goldman-s-kostin-warns-s-p-500-rally-faces-hurdles-in-near-term
- Reuters. (2024, December 12). Stifel Expects S&P 500 to Peak in Early 2025 Before Falling. Retrieved from https://www.reuters.com/markets/us/stifel-expects-sp-500-peak-early-2025-before-falling-2024-12-12/
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