2026年6月16日
米国株の3年繰越控除を使う条件
米国株の取引で損失が出てしまったとき、その損失を翌年以降に活用できる仕組みがあることをご存じでしょうか。
「譲渡損失の繰越控除」と呼ばれるこの制度を使えば、株式取引で生じた譲渡損失を最長3年間繰り越し、将来の譲渡益や配当所得と損益通算することができます。ただし、制度を利用するには一定の条件を満たし、毎年確定申告を行う必要があります。本記事では、米国株投資家の方が知っておくべき繰越控除の条件と申告ルールをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 上場株式等の譲渡損失は、確定申告をすることで最長3年間繰り越すことができる
- 繰越控除を受けるには、損失が発生した年から毎年連続して確定申告を提出することが条件
- 米国株の配当金や譲渡益との損益通算にも活用でき、税額を抑える効果がある
譲渡損失の3年間繰越控除とはどんな制度か
上場株式等の取引で生じた譲渡損失は、同じ年の他の上場株式等の譲渡益や配当所得と損益通算できます。それでも控除しきれなかった損失については、翌年以降に繰り越すことが認められています。
この仕組みを「譲渡損失の3年間繰り越し」と呼びます。繰り越された損失は、翌年・翌々年・その翌年の最長3年間にわたって、その年の譲渡益や配当所得から差し引くことができます。
米国株も日本の上場株式等と同様に申告分離課税の対象となるため、この制度の適用を受けることができます。
図:上場株式等の譲渡損失は、当年の利益や配当所得と損益通算しきれない場合、最長3年間繰り越して翌年以降の利益から差し引けます。日本初、すべての手数料がゼロ
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繰越控除の対象となる金融商品と取引
繰越控除の対象となるのは、上場株式等の譲渡所得等に区分される取引です。具体的には以下のような金融商品が含まれます。
対象となる主な商品 | 具体例 |
国内・外国上場株式 | 米国株、日本株など |
上場ETF | 米国ETF、国内ETFなど |
公募投資信託 | 株式投資信託など |
米国株の取引で生じた譲渡損失は、国内株式の譲渡益とも損益通算できます。また、申告分離課税を選択した配当所得(配当等)とも通算が可能です。
一方、NISA口座内での取引で生じた損失は、他の口座の利益と損益通算することができません。NISAの非課税メリットと引き換えに、損益通算・繰越控除の対象外となる点には注意が必要です。なお、Woodstockは現在NISA非対応で、特定口座(源泉徴収あり・なし選択可)を提供しています。NISA枠は他社で活用し、約1,000銘柄の米国株・ETFを24時間取引できるWoodstockを課税口座として併用する、という使い分けも選択肢の一つです。
繰越控除を受けるための条件
繰越控除を利用するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
1. 損失が発生した年に確定申告を行うこと
損失が生じた年に確定申告をして、その損失額を申告しておくことが出発点です。確定申告をしなければ、繰越控除の権利は生まれません。
2. 損失を繰り越している間、毎年連続して確定申告を行うこと
これが最も見落とされやすい条件です。損失を翌年以降に繰り越すためには、利益が出なかった年や取引がなかった年も含めて、毎年欠かさず確定申告を提出し続ける必要があります。1年でも申告を怠ると、それ以降の繰越控除を受けることができなくなります。
3. 上場株式等の譲渡損失であること
非上場株式の譲渡損失は対象外です。米国株は外国上場株式として上場株式等に該当するため、条件を満たします。
特定口座と一般口座で申告方法はどう違うか
確定申告の手続きは、利用している口座の種類によって異なります。
特定口座(源泉徴収あり)
証券会社が税金の計算・納付を代行してくれる口座です。通常は確定申告不要ですが、繰越控除を利用したい場合は自分で確定申告を行う必要があります。特定口座の年間取引報告書(明細)が自動で作成されるため、申告書類の準備は比較的簡単です。
特定口座(源泉徴収なし)
取引明細は証券会社が計算してくれますが、納税は自分で行います。繰越控除を利用する場合も確定申告が必要です。
一般口座
すべての計算を自分で行い、確定申告が必要です。取引ごとの明細を自分で管理する必要があります。
いずれの口座でも、繰越控除を受けるためには確定申告が必須です。特定口座(源泉徴収あり)を使っている場合でも、繰越控除を申告することで過去に源泉徴収された税額の還付を受けられる場合があります。Woodstockでは特定口座(源泉徴収あり・なし)を提供しており、年間取引報告書をアプリ内で確認できるため、繰越控除の申告書を作成する際の基礎資料として活用できます。
確定申告で必要な書類と手続きの流れ
繰越控除の確定申告に必要な主な書類は以下の通りです。
- 確定申告書(第一表・第二表)
- 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
- 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除等に関する付表
- 特定口座の年間取引報告書(特定口座を利用している場合)
確定申告書の作成は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するとガイドに沿って進めることができます。税務署への提出は、e-Taxによるオンライン申告または書面での郵送・窓口持参が選べます。
申告期間は原則として翌年の2月16日から3月15日です。最新の申告期間については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
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米国株の配当金と損益通算する際の注意点
米国株の配当金には、米国側で外国税が源泉徴収されます。さらに日本国内でも所得税・住民税が課税されるため、二重課税の状態になります。この二重課税を調整する仕組みが「外国税額控除」です。
外国税額控除と繰越控除は、それぞれ別の手続きです。米国株の配当金に関する外国税額控除を申告する場合も、確定申告が必要となります。
また、配当所得を損益通算の対象にするには、「申告分離課税を選択」する必要があります。総合課税を選択した配当所得は、譲渡損失との損益通算ができないため注意が必要です。
為替差損益の取り扱いも複雑です。米国株の売却時に生じる為替差損益は、原則として雑所得として扱われ、株式の譲渡所得とは別に計算されます。税務上の取り扱いについては、税理士等の専門家にご相談ください。
繰越控除の計算イメージ
具体的な数字で仕組みを確認してみましょう。
年 | 取引結果 | 繰越損失の残高 |
1年目 | 譲渡損失 100万円発生(確定申告済) | 100万円 |
2年目 | 譲渡益 30万円(確定申告済) | 70万円(100万円 - 30万円) |
3年目 | 譲渡益 40万円(確定申告済) | 30万円(70万円 - 40万円) |
4年目(3年目の翌年) | 譲渡益 50万円 | 0円(30万円を控除、残り20万円は課税対象) |
この例では、1年目の損失100万円を3年間にわたって活用しています。2年目・3年目に申告が必要なのは、利益が出た年だけではありません。損失を繰り越している間は、利益の有無にかかわらず毎年確定申告を提出することが条件です。
なお、繰越損失の所得等の金額との通算順序や計算方法の詳細については、国税庁の公式情報または税理士にご確認ください。
まとめ
米国株の取引で生じた譲渡損失は、上場株式等の損益通算・繰越控除の制度を活用することで、将来の税負担を抑えることができます。
制度を利用するためには、損失が発生した年から毎年連続して確定申告を行うことが必須の条件です。1年でも申告を飛ばすと繰越控除を受けることができなくなるため、取引がない年も含めて申告を続けることが重要です。
税金の取り扱いは個人の状況によって異なります。具体的な申告方法や外国税額控除の適用については、税理士等の専門家にご相談いただくか、国税庁(https://www.nta.go.jp)の最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q. 特定口座(源泉徴収あり)でも繰越控除は使えますか?
はい、利用できます。ただし、特定口座(源泉徴収あり)を使っている場合でも、繰越控除を受けるためには自分で確定申告を行う必要があります。証券会社が発行する年間取引報告書を使って申告書を作成します。
Q. 損失が出た年に取引をやめてしまった場合、繰越控除は使えますか?
取引をやめた年でも、損失を繰り越すためには確定申告が必要です。また、翌年以降も繰越控除を受けたい場合は、取引がなくても毎年申告を続ける必要があります。
Q. NISA口座で生じた損失も繰越控除できますか?
いいえ、できません。NISA口座内での取引は非課税扱いのため、損益通算や繰越控除の対象外となります。なお、Woodstockは現在NISA非対応で、特定口座のみを提供しています。
Q. 米国株の配当金も損益通算の対象になりますか?
配当所得を譲渡損失と損益通算するには、確定申告で「申告分離課税を選択」する必要があります。総合課税を選択した場合は損益通算の対象になりません。
Q. 繰越控除の申告に必要な書類はどこで入手できますか?
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(https://www.nta.go.jp)から書類を作成・ダウンロードできます。また、税務署の窓口でも入手可能です。
繰越控除の活用を前提に米国株への投資を続けるなら、取引コストを抑えることも長期的な手取りに効いてきます。Woodstockでは米国株・ETFの取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料で、200円・0.0001株単位から24時間取引が可能なため、損益通算や繰越控除を意識した小口の積み増し・損出しにも使いやすい設計です。口座開設はアプリで最短1分から進められます。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
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・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・税務に関するご判断は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制度については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
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