2026年8月30日
米国株の決算スケジュールの調べ方
米国株に投資する際、企業の決算発表は株価が大きく動く重要なイベントです。 発表日を事前に把握しておけば、情報収集の計画を立てやすくなります。
この記事では、米国株式の決算スケジュールを調べる具体的な方法と、アーニングシーズンの仕組みを解説します。 SEC(米国証券取引委員会)の公式システムを含め、無料で使える情報源を中心に紹介します。
この記事のポイント
- 米国企業の決算発表は年4回、各四半期終了後に集中する「アーニングシーズン」がある
- 決算スケジュールはSECのEDGARや金融情報サービスのサイトで無料確認できる
- 企業によって会計年度が異なるため、カレンダー四半期と各社の会計年度のずれに注意が必要
米国株式の決算発表とは何か
日本の上場企業と同様に、米国上場企業も定期的に業績を開示する義務があります。 投資家にとって、企業の決算は株式の売買判断を行う際の基礎情報となります。
米国上場企業はSECに対し、以下の書類を提出する義務があります。
書類 | 内容 | 提出タイミング |
|---|---|---|
Form 10-Q | 四半期報告書(未監査) | 第1〜第3四半期末後40〜45日以内 |
Form 10-K | 年次報告書(監査済み) | 会計年度末後60〜90日以内 |
Form 8-K | 臨時報告書(速報値) | 重要事象発生時(決算発表当日を含む) |
決算発表当日に最初に開示されるのはForm 8-Kです。 これは未監査の速報値であり、後日提出されるForm 10-QまたはForm 10-K(監査済み)で正式数値に確定・修正されます。
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アーニングシーズンとは:決算スケジュールの全体像
米国株式市場では、各四半期終了後の4〜6週間に決算発表が集中します。 この期間を「アーニングシーズン(決算シーズン)」と呼びます。
2026年のQ2(4〜6月期)シーズンを例に取ると、以下のような流れで進行しました。
- 7月第2週:大手銀行・金融機関が先陣を切って発表
- 7月末:メガキャップ・テクノロジー企業が集中して発表
- 8月以降:半導体・大手小売企業が発表し、シーズンが締めくくられる
FactSetの集計によれば、2026年Q2のS&P 500構成銘柄のEPS(1株当たり利益)成長率は前年同期比24.7%増と予測されており、20%超の増益が2四半期連続となる見通しです(出典:FactSet、2026年7月27日時点)。
また、2026年Q1(1〜3月期)のS&P 500構成銘柄のEPSは前年同期比27%増と、4年ぶりの好決算となる見通しが報告されています(出典:日本経済新聞、2026年5月8日)。 AI需要によるテクノロジー企業の好況が主な要因とされています。
決算スケジュールを調べる方法①:SECのEDGARを使う
最も一次情報に近い方法が、SECの公式電子開示システム「EDGAR(エドガー)」を利用することです。
EDGARの基本情報
- URL:https://www.sec.gov/edgar/search/
- 利用料:無料(会員登録不要)
- 対象:2001年以降の全電子提出書類
企業名またはティッカーシンボルで検索すると、過去の10-K・10-Q・8-Kを閲覧できます。 特定の銘柄の決算書類を直接確認したい場合に適しています。
EDGARを使った確認手順のイメージ
- EDGARのフルテキスト検索ページにアクセスする
- 企業名またはティッカーシンボルを入力する
- 書類の種類(10-Q・10-K・8-K)を選択してフィルタリングする
- 最新の提出書類を選択して内容を確認する
ただし、EDGARは「過去の提出書類の閲覧」には優れていますが、今後の決算発表予定日をカレンダー形式で確認する用途には向いていません。 発表予定日を一覧で把握したい場合は、次に紹介する金融情報サービスを併用するのが効率的です。
なお、EDGARシステムは米国の連邦祝日には受付・処理・受理を停止します。 既に掲載済みの書類は通常通り閲覧可能ですが、書類の提出・更新が行われない点に注意してください(出典:SEC.gov EDGAR Calendar)。
決算スケジュールを調べる方法②:金融情報サービスのサイトを使う
決算発表予定日をカレンダー形式で確認したい場合、金融情報サービスの提供するwebサイトが便利です。 多くのサービスが決算カレンダー機能を無料で提供しており、銘柄ごとの発表予定日・予想EPSなどをまとめて確認できます。
主な確認方法の比較
確認方法 | 主な用途 | 費用 |
|---|---|---|
SEC EDGAR | 過去の決算書類の閲覧・詳細分析 | 無料 |
金融情報サービスの決算カレンダー | 発表予定日の一覧確認・予想EPS確認 | 多くが無料(一部有料機能あり) |
証券会社のマーケット情報ページ | 取引口座と連携した情報確認 | 口座保有者向けに提供される場合あり |
日本の投資家の方が利用しやすいサービスとしては、日本語対応の金融情報サイトや、国内証券会社が提供するマーケット情報ページがあります。 英語に慣れている方であれば、FactSetやBloombergなどのデータを参照する英語圏の金融情報サービスも有用です。
会計年度のずれに注意:カレンダー四半期と各社Fiscal Yearの違い
米国株式の決算スケジュールを調べる際に見落としやすいのが、会計年度(Fiscal Year)のずれです。
多くの企業は12月末を会計年度末とする暦年ベースの会計年度を採用していますが、一部の大手企業は独自の会計年度を設定しています。
会計年度のずれの具体例
Appleは9月末を会計年度末としています。 そのため、カレンダー上の「Q2決算シーズン(7〜8月)」に発表される決算は、Apple社にとっては会計上のFiscal Q3(第3四半期)に相当します。
この点を把握せずにいると、「Q2決算」という表現が企業ごとに異なる期間を指している場合があり、情報の読み違いにつながることがあります。
確認時のポイント
- 決算カレンダーを確認する際は、「カレンダー四半期」と「その企業のFiscal Quarter」のどちらを指しているか確認する
- EDGARの提出書類には会計期間の開始日・終了日が明記されているため、正確な情報源として活用できる
- 金融情報サービスによっては、Fiscal QuarterとCalendar Quarterを区別して表示しているものもある
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決算情報の読み方:EPSと予想値の関係
決算スケジュールを把握したら、発表される情報の基本的な読み方も押さえておきましょう。
米国株式の決算で特に注目される指標がEPS(Earnings Per Share:1株当たり利益)です。 決算発表では、実際のEPSと市場の予想EPSを比較することで、「予想を上回ったか(ビート)」「下回ったか(ミス)」が判断されます。
決算発表で確認される主な指標
指標 | 内容 |
|---|---|
EPS(1株当たり利益) | 純利益を発行済み株式数で割った値 |
売上高 | 企業の収益規模を示す |
営業利益・純利益 | 本業の収益力・最終的な利益を示す |
ガイダンス(業績予想) | 企業が次の四半期・通年について示す見通し |
予想EPSはFactSetやBloombergなどの金融データ企業が、アナリストの予測を集計して算出・提供しています。 実績値と予想値の差(サプライズ)が株価変動に影響することが多いため、発表前の予想値と発表後の実績値を合わせて確認することが重要です。
なお、ガイダンス(次期以降の業績見通し)は企業が自主的に開示するものであり、すべての企業が詳細なガイダンスを提供するわけではありません。
決算スケジュール確認の実践的なフロー
以上の情報をまとめると、米国株式の決算スケジュールを調べる実践的な流れは以下のようになります。
ステップ1:アーニングシーズンの時期を把握する
各四半期終了後の4〜6週間が決算集中期間です。 1月・4月・7月・10月前後がそれぞれQ4・Q1・Q2・Q3の決算シーズンにあたります。
ステップ2:注目銘柄の発表予定日を確認する
金融情報サービスの決算カレンダーで、ご自身が保有・注目している銘柄の発表予定日を確認します。 発表予定日は変更されることがあるため、直前にも再確認することを推奨します。
ステップ3:会計年度のずれを確認する
その企業がどの会計年度を採用しているかを確認し、今回の発表がFiscal何Qに相当するかを把握します。
ステップ4:発表後にEDGARで詳細書類を確認する
速報値(Form 8-K)の発表後、正式な四半期報告書(Form 10-Q)または年次報告書(Form 10-K)がEDGARに提出されます。 詳細な財務データや経営陣のコメントを確認したい場合は、EDGARで正式書類を閲覧します。
まとめ
米国株式の決算スケジュールを調べるには、SECのEDGARと金融情報サービスの決算カレンダーを目的に応じて使い分けることが効率的です。
アーニングシーズンの全体的な流れを把握したうえで、注目銘柄ごとの発表予定日・会計年度のずれ・EPSの予想値と実績値の関係を確認することで、決算情報を投資判断の参考として活用しやすくなります。 投資にあたっての最終的な判断は、ご自身の判断で行ってください。
よくある質問
Q1. 米国株の決算発表日はどこで確認できますか?
SECのEDGAR(https://www.sec.gov/edgar/search/)で過去の提出書類を確認できます。 今後の発表予定日は、金融情報サービスが提供する決算カレンダーで確認するのが便利です。 発表予定日は変更されることがあるため、直前に再確認することを推奨します。
Q2. アーニングシーズンとは何ですか?
各四半期終了後の4〜6週間に決算発表が集中する期間のことです。 1月・4月・7月・10月前後がそれぞれの決算シーズンにあたります。 大手銀行が先陣を切り、テクノロジー企業、小売企業の順に発表が続くのが一般的なパターンです。
Q3. Form 8-KとForm 10-Qの違いは何ですか?
Form 8-Kは決算発表当日に開示される臨時報告書で、未監査の速報値が含まれます。 Form 10-Qは四半期報告書で、後日提出される正式書類です。 数値に差異が生じる場合があるため、詳細を確認する際はForm 10-Qを参照することを推奨します。
Q4. 会計年度(Fiscal Year)はすべての企業で同じですか?
いいえ、企業によって異なります。 多くの企業は12月末を会計年度末としていますが、独自の会計年度を採用している企業もあります。 決算スケジュールを確認する際は、カレンダー四半期とその企業のFiscal Quarterが一致しているか確認することが重要です。
Q5. EDGARは日本から無料で使えますか?
はい、EDGARは会員登録不要・無料で利用できます。 日本からもインターネット経由でアクセス可能です。 ただし、書類は英語で作成されており、米国の連邦祝日には新規書類の提出・更新が停止されます。
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