2026年6月11日
米国株の決算は年4回・日本株は年2回の意味
米国株に興味を持ち始めたとき、「決算が年4回ある」という言葉を目にした方は多いのではないでしょうか。
日本株に慣れ親しんだ投資家の方にとって、この違いは最初は少し戸惑うポイントかもしれません。しかし、この決算頻度の差こそが、米国株式市場の情報量と透明性を語るうえで欠かせない視点です。本記事では、米国株と日本株の決算制度の違いを整理し、投資家の情報収集にどのような影響があるかをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 米国株の決算は年4回(四半期ごと)、日本株の法定開示は年2回だが取引所規則により実質4回の情報が開示される
- 決算頻度の違いは、投資家が受け取れる業績情報の量と質に直接影響する
- 2026年現在、米国でも四半期報告書の義務を見直す動きがあり、日米の制度が変化点を迎えている
米国株の決算が年4回である理由
米国では、1934年証券取引所法に基づき、上場企業は年3回の四半期報告書(Form 10-Q)と年1回の年次報告書(Form 10-K)の計4回の定期開示が義務付けられています。
Form 10-Qは各会計年度の最初の3四半期について提出が必要で、大規模早期提出会社は四半期終了後40日以内、その他の会社は45日以内に提出しなければなりません(出典:SEC Form 10-Q General Instructions、2025年12月4日時点)。
この仕組みにより、投資家は年4回、企業の財務情報を定期的に受け取ることができます。Amazon、Microsoft、NVIDIAなど米国の大手上場企業は、2026年現在もこの規則に基づきForm 10-Qを提出しており、SEC EDGARシステムで誰でも閲覧できます(出典:SEC EDGAR、2026年)。
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日本株の決算は年何回?制度の変化を解説
日本の上場企業の決算開示は、2024年4月1日を境に大きく変わりました。
2023年11月に成立した「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第79号)により、金融商品取引法上の四半期報告書制度が廃止されました。現在の法定開示は、年1回の有価証券報告書(年次)と年1回の半期報告書(事業年度開始後6か月)の計2回に整理されています(出典:金融庁、2023年12月8日公表・2024年4月1日施行)。
ただし、投資家が受け取れる情報が年2回に減ったわけではありません。東京証券取引所の有価証券上場規程に基づき、第1・第3四半期の四半期決算短信の開示義務は引き続き残っています(出典:JPX「決算短信作成要領」、2026年4月版)。
つまり、日本の上場会社も実質的には年4回の業績情報を開示しています。ただし、法定開示(金融商品取引法ベース)は年2回、取引所規則ベースの開示が年4回、という二層構造になっています。
米国株と日本株の決算制度の違い一覧
米国株式と日本株の決算制度を比較すると、次のように整理できます。
比較項目 | 米国株式 | 日本株 |
法定開示の回数 | 年4回(Form 10-Q×3+Form 10-K×1) | 年2回(半期報告書+有価証券報告書) |
取引所規則ベースの開示 | 四半期ごと(法定と一体) | 四半期決算短信(第1・第3四半期) |
提出期限(四半期) | 四半期終了後40日または45日以内 | 四半期終了後45日以内(原則) |
半期報告書の提出期限 | 該当なし(年次報告書で対応) | 事業年度開始後6か月経過後45日以内 |
年次報告書 | Form 10-K(年1回) | 有価証券報告書(年1回) |
本決算が集中する時期 | 12月末決算企業が多い | 3月末決算企業が多い |
この表からわかるように、法定開示の仕組みは異なりますが、投資家が実際に受け取れる業績情報の頻度は、現時点では日米ともに年4回という点で近づいています。
決算頻度が投資家の情報量に与える影響
では、決算頻度が年4回あることは、投資家にとってどのような意味を持つのでしょうか。
なお、米国株は米国市場の取引時間に決算が発表されるため、日本時間の夜から早朝にかけて重要な情報が出るケースが多くなります。Woodstockなら米国株を24時間取引できるため(システムメンテナンス時を除く)、日本時間の夜間に発表された決算情報を確認しながら、翌営業日を待たずにお取引の判断に活かすことができます。
決算頻度(年4回)が投資家の情報量やリスク管理に与える影響のまとめ。 (※本画像はAIにより生成)情報更新のサイクルが短い
米国株式の場合、企業の業績データが3か月ごとに更新されます。売上高、営業利益、純利益、キャッシュフローといった財務指標を、年4回のタイミングで確認できます。これにより、企業の業績トレンドの変化を早期に把握しやすくなります。
株価への影響が分散される
年4回の決算発表があることで、株価に影響を与えるイベントが1年間に複数回あります。1回の決算発表での株価変動が比較的小さくなる傾向がある一方、四半期ごとに市場の期待値と実績のズレが調整されます。
投資家のリスク管理に役立つ
業績の悪化を早期に察知できる点は、投資家のリスク管理において重要です。年2回しか法定開示がない場合と比べ、問題の早期発見につながりやすいという見方があります。
一方で、四半期ごとの短期的な業績変動に市場が過剰反応するリスクも指摘されています。この点については後述します。
2026年の注目トピック:米国SEC(証券取引委員会)の四半期開示見直し
2026年5月5日、米国SECは55年以上にわたって続いてきた四半期報告書(Form 10-Q)の義務的提出要件を見直す規則改正案を公表しました(出典:野村総合研究所、2026年5月8日)。
改正案の内容は、上場企業が新様式10-Sによる半期報告書(年1回)を選択できるようにするものです。ただし、四半期報告書の提出はデフォルト(原則)として維持され、半期報告書は例外的な選択肢となります。60日間のパブリックコメントを経て最終決定される見通しです。
2026年5月に公表された米国SEC(証券取引委員会)による四半期開示見直し案の構造図。1970年以来の転換点となる改正案の骨子、市場の異なる見解、今後の見通し、および先行する日本市場との比較を論理的に整理している。※本画像はAIにより作成SECのポール・アトキンス委員長は「SECの規則の硬直性により、企業と投資家は自社のビジネスニーズや投資家の利益に最も適した開示の頻度を自ら決定することが妨げられてきた」と述べています(出典:ロイター、2026年5月6日)。
一方で、一部の投資家は四半期ごとの決算報告義務が市場の透明性を高め、株価変動を抑制すると主張しています(出典:ロイター、2026年5月6日)。
この改正案は、米国が1970年から半世紀以上維持してきた四半期開示制度に対する初めての本格的な見直しです。日本では2023年の金融商品取引法改正によって四半期報告書の提出義務がすでに撤廃されており、米国のSEC改正案の中でも日本の事例が参照されています(出典:野村総合研究所、2026年5月8日)。
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決算スケジュールの違いが取引に与える実際の影響
米国株と日本株では、本決算が集中する時期にも違いがあります。
米国では12月末決算の企業が多く、翌年1月から2月にかけて年次報告書(Form 10-K)の提出が集中します。日本では3月末決算の企業が多く、5月から6月にかけて有価証券報告書の提出が集中する傾向があります。
この違いは、株取引のタイミングを考えるうえで一つの参考情報になります。例えば、米国株式の決算シーズンは大まかに以下のように分かれます。
決算シーズン | 対象期間 | 主な発表時期 |
第1四半期(Q1) | 1月〜3月 | 4月〜5月 |
第2四半期(Q2) | 4月〜6月 | 7月〜8月 |
第3四半期(Q3) | 7月〜9月 | 10月〜11月 |
第4四半期(Q4)+年次 | 10月〜12月 | 翌年1月〜2月 |
米国株投資を始める際には、保有銘柄の決算発表スケジュールを事前に把握しておくことが、情報収集の基本となります。決算発表は日本時間の深夜から早朝にあたることも多く、Woodstockは24時間取引に対応しているため(システムメンテナンス時を除く)、決算後の値動きを翌営業日まで待たずに確認・取引できる環境を整えやすくなります。
配当金との関係:年4回決算と四半期配当
米国株式の特徴として、配当金を年4回(四半期ごと)に支払う企業が多い点があります。これは決算の頻度と連動しており、四半期ごとに業績を確認しながら配当方針を決定する仕組みと整合しています。
日本株の場合、年2回(中間配当と期末配当)の支払いが一般的です。企業によっては年1回のみの配当金支払いとなる場合もあります。
米国株式では、長期にわたって毎年配当金を増やし続ける「増配」を重視する企業文化が根付いています。配当金の受け取り頻度が高いことは、資産を積み上げていく際の一つの魅力として投資家の方に注目されています。
ETFを活用する場合も同様に、米国株式ETFの中には四半期ごとに分配金を支払うものが多く、運用の計画を立てやすい点が特徴です。なお、Woodstockでは通常取引時間において約1,000銘柄の米国株・ETFを取り扱っており、毎月・四半期ごとに配当金が支払われる銘柄も多数含まれています(取扱銘柄)。
まとめ
米国株の決算が年4回である理由は、1934年証券取引所法に基づく法定開示制度にあります。Form 10-Qを年3回、Form 10-Kを年1回提出することで、投資家は3か月ごとに企業の業績データを受け取ることができます。
日本株は2024年4月の制度改正により法定開示が年2回に整理されましたが、取引所規則に基づく四半期決算短信により、実質的な情報開示は年4回維持されています。
2026年現在、米国SECが四半期開示義務の見直しを検討しており、日米の制度は変化の過渡期にあります。しかし現時点では、米国株式の年4回の法定開示制度は原則として維持されています。
決算頻度の違いを理解することは、米国株投資の情報収集の質を高める第一歩です。銘柄ごとの決算スケジュールを把握しながら、投資判断の参考情報として活用してみてください。Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料で、200円・0.0001株単位から米国株の取引を始められるため、決算情報の収集と並行して少額から実践的に学んでいきたい方にも対応しています。
よくある質問
Q1. 米国株の決算発表はどこで確認できますか?
米国上場企業のForm 10-QやForm 10-Kは、SECの電子開示システム「EDGAR」(https://www.sec.gov/edgar)で公開されています。各企業の投資家向け情報(IRページ)でも確認できます。
Q2. 日本株の四半期決算短信と四半期報告書は何が違いますか?
四半期報告書は金融商品取引法に基づく法定開示書類で、2024年4月1日に廃止されました。四半期決算短信は東京証券取引所の規則に基づく開示書類で、現在も第1・第3四半期について提出義務が続いています。記載内容の詳細度や監査の有無などに違いがあります。
Q3. 米国株の決算発表のたびに株価は大きく動きますか?
決算発表後に株価が動くことはありますが、動き方は企業や市場環境によって異なります。市場の事前予想と実績のズレが大きいほど、株価への影響が出やすい傾向があります。ただし、過去の傾向が将来の株価動向を保証するものではありません。
Q4. NISAで米国株を保有している場合も、決算情報は確認できますか?
NISA口座での保有有無にかかわらず、企業の決算情報はSEC EDGARや各社のIRページで確認できます。なお、Woodstockは現在NISA非対応で、特定口座(源泉徴収あり・なし選択可)を提供しています。NISA枠は他社で活用し、米国株の24時間取引はWoodstockで、という併用も選択肢の一つです。
Q5. ETFも年4回決算がありますか?
米国上場ETFは、ETFを運用する会社が決算・運用報告書を年1回(または半期)提出するケースが一般的です。ただし、分配金の支払いは四半期ごとに行うETFが多くあります。投資信託や国内ETFとは仕組みが異なりますので、各ETFの目論見書で確認することをおすすめします。
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【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会