2026年9月9日
個別株とは|投資信託との違い
個別株と投資信託。どちらも「株式投資」という言葉でひとくくりにされることがありますが、その仕組みとリスクの分散方法は大きく異なります。
「個別株って何?投資信託とどう違うの?」という疑問を持つ初心者の方に向けて、この記事では両者の基本的な特徴から、リスク分散の考え方、NISAでの使い分けまでをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 個別株は特定の企業1社の株式を直接購入する方法。投資信託は複数の銘柄をパッケージ化した商品であり、リスク分散の仕組みが根本的に異なる。
- 金融庁の資料では、分散投資を20年続けた場合の収益率が年率2%〜8%の範囲に収斂し、元本割れリスクがほぼゼロに近づくことが過去実績として示されている。
- 新NISAの「つみたて投資枠」は投資信託のみ対象。「成長投資枠」では個別株も購入できる。
個別株とは?仕組みをシンプルに解説
個別株とは、上場している特定の企業が発行する株式を直接購入する投資方法です。
株式を購入するということは、その企業の「オーナーの一部」になることを意味します。企業が利益を上げれば配当金を受け取ったり、株価の上昇による売却益(キャピタルゲイン)を得たりすることが期待できます。
また、日本株の場合は株主優待を設けている企業も多く、自社製品や割引券などを受け取れるケースもあります。
購入する際は、証券会社(ネット証券を含む)を通じて取引所で売買するのが一般的です。株価はリアルタイムで変動し、取引時間中であればいつでも売買できます。
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投資信託とは?仕組みをシンプルに解説
投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をまとめて運用する金融商品です。
金融庁の公式解説では、投資信託を「個別の株や色んな国の債券をパッケージにして個人投資家に提供する仕組み」と説明しています(出典:金融庁「教えて虫とり先生(第3回)」)。
1本の投資信託を購入するだけで、国内外の複数の株式や債券に自動的に分散投資できる点が大きな特徴です。
2026年2月末時点で、公募投資信託の純資産総額は329兆8,023億円(5,792本)と過去最高を記録しています。うちインデックス型ファンドの純資産総額は201兆1,767億円で、株式投信全体の64.4%を占めています(出典:一般社団法人投資信託協会「数字で見る投資信託」2026年3月12日公表)。
個別株と投資信託の違い|主要項目を比較
両者の違いを表で整理します。
項目 | 個別株 | 投資信託 |
|---|---|---|
投資対象 | 特定の1社の株式 | 複数の株式・債券など |
リスク分散 | 投資家自身が複数銘柄を選んで分散 | 1本で自動的に分散 |
運用の主体 | 投資家自身 | ファンドマネージャー |
株主優待 | あり(日本株の場合) | なし |
配当 | 配当金(企業次第) | 分配金(ファンド次第) |
信託報酬 | なし | あり(保有中に継続的に発生) |
取引価格 | リアルタイムで変動 | 1日1回の基準価額で決定 |
少額投資 | 証券会社によって異なる | 100円から購入できる場合が多い |
NISAの対応 | 成長投資枠のみ | つみたて投資枠・成長投資枠の両方 |
リスク分散の違い|これが最大のポイント
個別株と投資信託の最も本質的な違いは、リスクの分散方法にあります。
個別株のリスク分散
個別株は、1つの企業の株式だけを保有していると、その企業の業績悪化や不祥事が起きたとき、資産が大きく目減りするリスクがあります。
このリスクを下げるには、投資家自身が複数の銘柄を選んで分散投資する必要があります。異なる業種の企業を複数組み合わせたり、国内株と米国株を組み合わせたりすることで、1社の影響を相対的に小さくすることができます。
ただし、銘柄選びや組み合わせの判断はすべて投資家自身が行います。
投資信託のリスク分散
投資信託は、1本購入するだけで複数の株式や債券に分散投資できます。
金融庁の公式解説では、1社のみへの集中投資と異なり、日本の上場企業全体に広く分散することで「致命傷を負うことはない」という分散効果が得られると説明されています(出典:金融庁「教えて虫とり先生(第3回)」)。
また金融庁の資料では、国内・先進国・新興国の株式・債券に1/6ずつ分散して積立投資した場合、保有期間5年では収益率の分布が広いものの、保有期間20年では収益率が年率2%〜8%の範囲に収斂し、元本割れリスクがほぼゼロに近づくことが過去実績として示されています(出典:金融庁「貯める・増やす ~資産形成 応用編」令和3年度)。
これは、時間の分散(長期積立)と資産・地域の分散を組み合わせた効果です。
分散投資の2つの軸
金融庁の資料では、分散投資の基本として「資産の分散」と「地域の分散」の2軸が示されています(出典:金融庁「ちょっとずつ、資産形成を始めてみませんか?」)。
- 資産の分散:株式だけでなく債券なども組み合わせることで、値動きの異なる資産を持つ
- 地域の分散:日本だけでなく先進国・新興国にも投資することで、特定国のリスクを軽減する
投資信託、特にバランス型ファンドや全世界株式インデックスファンドは、この2軸の分散を1本で実現できる商品設計になっています。
コスト・手数料の比較|信託報酬に注意
投資するうえで見落としがちなのが、コストの違いです。
個別株のコスト
個別株の主なコストは、株式を売買するときの取引手数料です。ネット証券を中心に手数料が低下傾向にあり、一部の証券会社では売買手数料を無料としているケースもあります。
保有中に継続的に発生するコストは基本的にありません。
投資信託のコスト
投資信託には、主に以下のコストがあります。
- 信託報酬:ファンドを保有している間、継続的に差し引かれる運用管理コスト。年率で表示され、純資産から自動的に控除される。
- 購入時手数料:購入時にかかる手数料。ノーロードファンドと呼ばれる購入時手数料ゼロの商品も多い。
- 信託財産留保額:売却時に発生するケースがある。
信託報酬はファンドによって異なりますが、インデックス型ファンドはアクティブ型に比べて低コストな傾向があります。長期保有では信託報酬の差が運用成果に影響するため、コストの確認は重要です。
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個別株・投資信託のメリット・デメリット
個別株のメリット
- 特定の企業の成長を直接享受できる
- 株主優待や配当金を受け取れる場合がある
- 自分で銘柄を選ぶ楽しさがある
- 保有中の継続コスト(信託報酬)がない
個別株のデメリット
- 1銘柄への集中投資は業績悪化時のリスクが大きい
- 分散するには複数銘柄の購入が必要で、資金と知識が求められる
- 銘柄調査・タイミング判断など、投資家自身の判断が求められる
投資信託のメリット
- 1本で複数の銘柄・地域に分散投資できる
- 投資の知識や経験が少ない段階でも始めやすい仕組みになっている
- 少額から購入できるケースが多い
- 長期・積立・分散の組み合わせがしやすい
投資信託のデメリット
- 信託報酬が継続的に発生する
- 個別企業の成長を直接享受することはできない
- 株主優待は受け取れない
- 取引価格はリアルタイムではなく、1日1回の基準価額で決まる
NISAでの使い分け|つみたて投資枠と成長投資枠
新NISAでは、個別株と投資信託の使い分けが制度設計に組み込まれています(出典:金融庁「NISAを利用する皆さまへ」2024年6月)。
枠 | 年間上限 | 対象商品 |
|---|---|---|
つみたて投資枠 | 120万円 | 金融庁が認定した投資信託のみ |
成長投資枠 | 240万円 | 投資信託・個別株など |
生涯非課税保有限度額 | 合計1,800万円(成長投資枠のみの場合は1,200万円) | 上記の合計 |
つみたて投資枠は、金融庁が長期・積立・分散投資に適していると認めた投資信託のみが対象です。個別株の売買はできません。
成長投資枠では、投資信託に加えて個別株の購入も可能です。
なお、2025年12月に決定した令和8(2026)年度税制改正により、つみたて投資枠の対象商品要件が「主に株式に投資するもの」から「主に株式又は公社債に投資するもの」に拡充されます。これにより、債券中心あるいはバランス型の投資信託も選択肢に加わる予定です(出典:金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」2025年12月26日)。
NISAの非課税枠を活用するうえでも、どちらの商品をどの枠で使うかを意識することが重要です。
初心者はどちらを選ぶべき?選び方の考え方
どちらが「正解」かは、投資家の目的・知識・時間・リスク許容度によって異なります。ここでは選び方の視点を整理します。
投資信託が向いているケース
- 投資の知識や経験が少ない初心者
- 銘柄調査に時間をかけたくない
- 少額から始めたい
- 長期・積立で資産形成したい
- iDeCoやNISAのつみたて投資枠を活用したい
個別株が向いているケース
- 特定の企業や業界に強い関心・知識がある
- 株主優待や配当金を直接受け取りたい
- 自分で銘柄を選ぶ楽しさを重視する
- ある程度のリスクを取って大きなリターンを狙いたい
組み合わせという選択肢
個別株と投資信託は、どちらか一方だけを選ぶ必要はありません。
例えば、資産の大部分をインデックス型の投資信託で運用しながら(コア部分)、興味のある企業の個別株を少額で保有する(サテライト部分)という組み合わせも、多くの投資家が実践している方法です。
日本証券業協会の2025年調査(有価証券保有者5,000名対象)では、株式の保有率は72.8%、投資信託の保有率は66.7%であり、両方を保有している投資家が多いことがわかります(出典:日本証券業協会「個人投資家の証券投資に関する意識調査」2025年)。
まとめ
個別株は特定の企業を直接応援できる投資方法であり、株主優待や配当金など個人投資家ならではの楽しみがあります。一方で、リスク分散は投資家自身が複数銘柄を組み合わせて実現する必要があります。
投資信託は、1本で複数の銘柄・地域・資産クラスに分散できる仕組みを持ち、少額から始めやすい商品です。金融庁のデータが示すように、長期・積立・分散の組み合わせは、時間をかけることでリスクを低減する効果が過去実績として確認されています。
どちらが優れているかではなく、自分の目的とリスク許容度に合った方法を選ぶことが、長く続けられる資産形成への第一歩です。取扱銘柄の範囲や取引の仕組みは利用する証券会社によって異なるため、口座開設前に各社の公式情報を確認したうえで、自分に合った投資スタイルを探してみてください。
よくある質問
Q1. 個別株と投資信託、初心者はどちらから始めるべきですか?
投資の知識や経験が少ない段階では、1本で分散投資できる投資信託から始める方が、リスク管理の面でシンプルです。慣れてきたら個別株を少額から加えていく方法も有効です。
Q2. 投資信託の信託報酬はどのくらいかかりますか?
ファンドによって異なります。インデックス型ファンドは比較的低コストな傾向があり、アクティブ型は高めになる傾向があります。購入前に目論見書で信託報酬を確認することをおすすめします。
Q3. NISAで個別株を買うことはできますか?
新NISAの「成長投資枠」(年間240万円)では個別株の購入が可能です。ただし「つみたて投資枠」(年間120万円)は金融庁が認定した投資信託のみが対象であり、個別株は購入できません。
Q4. 個別株で分散投資するには何銘柄必要ですか?
一般的な考え方として、業種や地域の異なる複数の銘柄に分けることでリスクを分散できますが、必要な銘柄数に決まりはありません。重要なのは、1社への集中を避け、値動きの異なる銘柄を組み合わせることです。
Q5. 個別株と投資信託を両方持つことはできますか?
はい、両方を保有することは可能です。投資信託でコアとなる分散ポートフォリオを構築しながら、関心のある企業の個別株をサテライトとして保有する方法は、多くの投資家が実践しています。
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【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会