2026年6月12日
米国市場の3つの取引所|NYSE・NASDAQ・AMEXを覚える
米国市場の3つの取引所|NYSE・NASDAQ・AMEXを覚える
米国株に興味を持ち始めると、「NYSE」「NASDAQ」「AMEX」という言葉を目にする機会が増えます。これらはすべて米国の証券取引所の名称ですが、それぞれ歴史も上場銘柄の傾向も異なります。
3つの取引所の違いを理解しておくと、銘柄を調べるときの「地図」として役立ちます。この記事では、各取引所の成り立ちと特徴を、初めて米国株に触れる方にもわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- NYSE(ニューヨーク証券取引所)は1792年創設の世界最大の株式市場。伝統的な優良大企業が中心に上場している
- NASDAQは1971年創設の世界初の電子株式市場。ハイテク・IT企業が多く、成長株が集まる
- AMEX(現NYSE American)はETFの誕生地。中小型株や上場投資信託の市場として発展してきた
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NYSE(ニューヨーク証券取引所)とは|世界最大の株式市場を解説
NYSE(New York Stock Exchange)は、日本語で「ニューヨーク証券取引所」と呼ばれます。米国を代表する株式市場であり、世界最大の証券取引所です。
その起源は1792年5月17日にさかのぼります。ウォール街のスズカケノキ(ボタンウッド)の下に集まった24人の証券ブローカーが「ボタンウッド協定(Buttonwood Agreement)」に署名したことが始まりです。1817年に「New York Stock & Exchange Board」として正式に組織化されました(出典:SEC.gov)。
2023年末時点の時価総額は約25.6兆ドルで世界1位(出典:日本経済新聞、2024年2月)。上場企業数は約2,400社(2023年末時点、出典:世界取引所連盟)にのぼります。
JPモルガン・チェース(JPM)、エクソン・モービル(XOM)、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)といった伝統的大企業、いわゆる「ブルーチップ株」が多く上場しているのが特徴です。
上場基準も厳格で、公開株式の時価総額は新規IPO時で4,000万ドル以上、その他の場合は1億ドル以上、かつ株価が4ドル以上であることが求められます(出典:SEC.gov、2024年)。この高い基準が、NYSEの信頼性と安定感を支えています。
S&P 500とTOPIXのセクター構成と株価パフォーマンスの差を比較したインフォグラフィック。2026年のハイテク・AI関連セクターによるS&P 500の利益成長と、原油高リスクによるTOPIXのEPS成長率下振れを解説。NYSE上場の主な株価指数|NYダウとS&P500の関係
NYSEと切り離せない存在が「NYダウ(ダウ工業株30種平均)」です。NYダウは、米国を代表する30銘柄の株価から算出される指数で、米国経済全体の動向を示す指標として世界中で参照されています。
ただし、NYダウの構成銘柄はNYSE上場銘柄だけではありません。NASDAQに上場するアップルやマイクロソフトなども含まれています。指数と取引所は別の概念として理解しておくことが重要です。
もう一つの代表的な指数がS&P500です。NYSE・NASDAQなど複数の株式市場に上場する米国の主要500社を対象に算出されます。米国株式市場全体の動きを把握する指標として、資産運用の世界で広く活用されています。
NASDAQ(ナスダック)とは|ハイテク・IT銘柄が集まる成長株市場
NASDAQ(National Association of Securities Dealers Automated Quotations)は、1971年2月8日に取引を開始した世界初の電子株式市場です(出典:日本経済新聞、2021年2月8日)。全米証券業協会(NASD)が設立し、立会場を持たずコンピューターネットワークのみで売買を完結させる仕組みは、当時の株式市場に革命をもたらしました。
NASDAQ(ナスダック)の歴史、特徴、市場規模のポイントをまとめた図解インフォグラフィック(※AIにより作成)NASDAQの時価総額は2023年末時点で約22.4兆ドル(世界2位)。上場企業数は約3,700社(2023年末時点、出典:世界取引所連盟・日本経済新聞)にのぼります。
アップル、マイクロソフト、アマゾン、NVIDIAなどのハイテク・IT企業が多く上場しており、ナスダックは「テクノロジー株の聖地」とも呼ばれます。2026年4月時点で、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、メタ、アップルのビッグテック5社の時価総額合計は約16兆ドル(約2,550兆円)に達し、S&P500全体の約4分の1を占めています(出典:Bloomberg日本語版、2026年4月26日)。これらはすべてNASDAQ上場銘柄です。
NYSEと比較してNASDAQは上場基準が比較的柔軟で、新興企業向けの市場として機能してきました(出典:SEC.gov、2024年)。新しいビジネスモデルや技術を持つ成長企業が集まりやすい土壌があります。
NASDAQの株価指数|NASDAQ総合指数とNASDAQ100の解説
NASDAQに関連する代表的な株価指数が「NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite)」と「NASDAQ100」です。
NASDAQ総合指数は、NASDAQ上場の全銘柄を対象に算出される指数です。上場銘柄数が約3,700社と多いため、ハイテク・IT分野の動向を幅広く反映します。
NASDAQ100は、NASDAQ上場銘柄のうち金融セクターを除く上位100銘柄で構成されます。時価総額の大きいハイテク企業が上位に集中しており、米国株式市場の成長を象徴する指数として世界中の投資家が注目しています。
これらの指数は投資信託やETFのベンチマーク(基準指標)としても広く使用されており、個別銘柄を選ばずに市場全体の動きに連動した運用を目指す方にとっても重要な情報です。日本から米国市場の銘柄に触れる手段としては、たとえばWoodstockなら通常取引時間において約1,000銘柄の米国株・ETFを24時間(システムメンテナンス時を除く)取引でき、NYSE・NASDAQに上場する代表的な銘柄にもアクセスできます。
AMEX(NYSE American)とは|ETF誕生の地となった取引所
AMEXは1908年に「ニューヨーク・カーブ・マーケット」として設立され、1953年に「アメリカン証券取引所(AMEX)」に改称されました。その後、2008年にNYSEユーロネクストに買収され、段階的な名称変更を経て、2017年7月24日に現在の正式名称「NYSE American LLC」となっています(出典:SEC.gov、2017年3月16日届出)。
AMEX(NYSE American)の沿革、世界初のETF(SPY)上場という功績、および現在の中小型株・新興企業向け市場としての位置づけを視覚的にまとめたインフォグラフィック(AIにより作成)。AMEXが世界の金融史に刻んだ最大の功績は、ETF(上場投資信託)の誕生地であることです。世界初のETFであるSPDR S&P500 ETF Trust(ティッカー:SPY)は、1993年1月29日にAMEXに上場しました(出典:State Street Global Advisors、2025年)。ステート・ストリートが運用を担ったSPYは現在も世界最大級のETFとして取引されています。
現在のNYSE Americanは、中小型株や新興企業向けの市場として位置づけられています。NYSEの厳格な上場基準をまだ満たせない企業が上場するケースも多く、成長途上の銘柄を探す投資家にとっても注目の株式市場です。
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3つの取引所の違いを比較|NYSE・NASDAQ・NYSE Americanの特徴まとめ
3つの取引所の主な特徴を一覧で比較します。
項目 | NYSE | NASDAQ | NYSE American(旧AMEX) |
設立年 | 1792年 | 1971年 | 1908年 |
正式名称 | New York Stock Exchange | National Association of Securities Dealers Automated Quotations | NYSE American LLC |
取引方式 | 立会場あり(電子取引も併用) | 完全電子取引 | 電子取引 |
時価総額(2023年末) | 約25.6兆ドル(世界1位) | 約22.4兆ドル(世界2位) | 非公表 |
上場企業数(2023年末) | 約2,400社 | 約3,700社 | 中小型中心 |
代表的な銘柄 | JPM、XOM、BRK.B、JNJ | AAPL、MSFT、AMZN、NVDA | 中小型株・ETF |
代表的な指数 | NYダウ(一部)・S&P500(一部) | NASDAQ総合・NASDAQ100 | 参照指数なし(主要) |
特徴 | 伝統的優良大企業(ブルーチップ) | ハイテク・IT・成長株 | 中小型・ETF発祥の地 |
出典:世界取引所連盟(WFE)データ、日本経済新聞(2024年2月)、SEC.gov
日本企業と米国取引所の関係|ADRとしての重複上場
米国の株式市場には、日本企業も上場しています。
2024年6月末時点で、NYSE(メインボード)にはトヨタ自動車、ソニーグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループなど日本企業10社がADR(米国預託証券)形式で重複上場しています。NASDAQにも複数の日系企業が単独上場しています(出典:KPMG「日本企業の米国市場上場の実務」、2024年)。
ADRとは、外国企業の株式を米ドル建ての証券として米国市場で売買できるようにした金融商品です。日本株に投資するのと同じ感覚で、米国の取引所を通じて日本企業の株式を取引できる仕組みです。
日本企業と米国取引所の関係、およびADR(米国預託証券)の仕組みと米国株情報の調べ方をまとめた図解(出典:KPMG「日本企業の米国市場上場の実務」、日本経済新聞ヘルプセンター) ※本画像はAIにより作成NYSE・NASDAQ・NYSE Americanの違いを理解しておくと、こうした銘柄情報を調べる際にも役立ちます。日本経済新聞の米国株情報サービスでは、NYSE・NASDAQ・NYSE Americanなどに上場する事業会社・ADR・ETF・REITなど約1万銘柄を収録しています(出典:日本経済新聞ヘルプセンター、2026年現在)。
SECによる取引所の監督|グローバルな株式市場の信頼性を支える仕組み
NYSE・NASDAQ・NYSE Americanはいずれも、米国の証券取引委員会(SEC)の監督下にある全国証券取引所(National Securities Exchanges)です。SECは各取引所が自主規制機関(SRO)として定める規則の変更を審査・承認します(出典:SEC.gov、2026年5月時点)。
この監督体制が、米国株式市場の透明性と投資家保護の基盤となっています。上場基準の審査から売買ルールの整備まで、SECが関与することで市場全体の信頼性が維持されています。
米国株に投資する際、こうした制度的な背景を知識として持っておくことは、リスクを理解するうえでも重要です。取引所ごとの上場基準の違いは、そのまま上場銘柄の性格の違いにつながっています。
まとめ
NYSE・NASDAQ・NYSE American(旧AMEX)の3つは、それぞれ異なる歴史と特徴を持つ米国の主要株式市場です。
NYSEは1792年創設の世界最大の株式市場で伝統的な優良大企業が集まり、NASDAQは1971年創設の電子取引所でハイテク・IT・成長株の中心地です。NYSE Americanは1908年に設立され、ETFの誕生地として金融史に名を刻んでいます。
銘柄を調べるとき、どの取引所に上場しているかを確認する習慣をつけると、その企業の規模や業種のイメージがつかみやすくなります。米国株への理解を一歩ずつ深めていきましょう。実際に少額から取引を始めたい方は、Woodstockなら200円・0.0001株単位からNYSEやNASDAQに上場する米国株・ETFを取引でき、まず「地図」を片手に少しずつ触れてみるという選び方もできます。
よくある質問
Q1. NYSEとNASDAQはどちらが大きいですか?
時価総額ベースではNYSEが世界1位(2023年末時点で約25.6兆ドル)、NASDAQが世界2位(同約22.4兆ドル)です。上場企業数ではNASDAQが約3,700社とNYSEの約2,400社を上回ります(出典:世界取引所連盟、日本経済新聞、2024年2月)。
Q2. AMEXはなぜNYSE Americanという名前になったのですか?
AMEXは2008年にNYSEユーロネクストに買収され、その後段階的に名称が変更されました。2017年7月24日にSECへの届出を経て「NYSE American LLC」が正式名称となっています(出典:SEC.gov、2017年)。
Q3. ETFはどの取引所で生まれたのですか?
世界初のETFであるSPDR S&P500 ETF Trust(SPY)は、1993年1月29日にAMEX(現NYSE American)に上場しました(出典:State Street Global Advisors、2025年)。
Q4. 日本から米国株を買う場合、取引所の違いは関係しますか?
日本の投資家が米国株を購入する場合、米国株を取り扱う証券会社やアプリを通じてNYSEやNASDAQなどの銘柄を売買できます。たとえばWoodstockでは、通常取引時間において約1,000銘柄の米国株・ETFを取引でき、24時間(システムメンテナンス時を除く)対応しています。どの取引所に上場しているかは銘柄の特性を理解するうえで参考になりますが、取引の手続き自体は取引所ごとに大きく変わるわけではありません。詳細はFAQもあわせてご確認ください。
Q5. NYダウはNYSE上場銘柄だけで構成されていますか?
いいえ。NYダウ(ダウ工業株30種平均)の構成銘柄にはNYSE上場企業だけでなく、NASDAQに上場するアップルやマイクロソフトなども含まれています。指数と取引所は別の概念です。
NYSE・NASDAQ・NYSE Americanという3つの取引所を学んだら、次は実際に米国株に触れてみるのが理解の近道です。Woodstockなら、NYSEやNASDAQに上場する約1,000銘柄の米国株・ETFを、取引・為替・残高・出金のすべての手数料無料で、24時間(システムメンテナンス時を除く)取引できます。200円・0.0001株単位から始められるので、口座開設後にまず気になる1銘柄を少額で買ってみる、という入り方も可能です。取扱銘柄や手数料の詳細もあわせてご確認ください。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会