2026年6月19日
米国株 vs グローバル株式|長期相対パフォーマンス観察
米国株だけを買えばよいのか、それとも世界全体に分散すべきか。
株式投資を始めた多くの投資家が、一度は直面する問いです。この記事では、S&P 500とMSCI ACWIという2つの代表的な指数を軸に、30年超の長期相対パフォーマンスを観察します。税金の仕組みも含め、グローバル株式への投資を考えるうえで知っておきたい情報を整理しました。
この記事のポイント
- S&P 500は1957年設定来、配当込みで年率約10%の長期実績を持つ米国株式市場の代表指数
- MSCI ACWIは47市場・2,514銘柄をカバーするグローバル株式指数で、2025年は+22.87%とS&P 500(+17.88%)を上回った
- 外国株式の配当には二重課税が生じる場合があり、外国税額控除の活用が選択肢となる
S&P 500とは|米国株式市場の時価総額の約80%をカバーする指数
S&P 500は、米国の主要産業を代表する500社で構成される株価指数です。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスの公式情報によれば、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしており、米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められています(S&P Global、2026年)。
1957年3月4日の算出開始以来、配当込みトータルリターンで年率約10%の長期実績を持ちます。プライスリターン(配当除く)は年率約7%と推計されています(S&P Dow Jones Indices、2024年1月19日時点データ)。
米国株式への長期投資を語るとき、S&P 500は外せない基準指数です。
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MSCI ACWIとは|世界の株式市場を一つの指数で観察する
MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)は、文字通り「世界全体」の株式パフォーマンスを測る指数です。
2026年4月30日時点で、先進国23カ国・新興国24カ国の計47市場にわたる2,514銘柄で構成されています。世界の投資可能株式時価総額の約85%をカバーしており、約5.6兆米ドルの資産がこの指数をベンチマークとしています(MSCI公式ファクトシート、2026年4月30日時点)。
国別構成比(2026年4月30日時点)は以下のとおりです。
国・地域 | 構成比 |
米国 | 63.41% |
日本 | 5.01% |
英国 | 3.25% |
カナダ | 3.08% |
台湾 | 2.94% |
(出典:MSCI ACWI Index Factsheet、2026年4月30日時点)
注目すべき点は、「世界分散」を謳うMSCI ACWIでも、米国の構成比が63%超を占めるということです。グローバル株式への投資は、実質的に米国株式への大きなエクスポージャーを含みます。
図:MSCI ACWIは、先進国23カ国と新興国24カ国を対象に、世界の株式市場を一つの指数で捉える代表的なグローバル株価指数です。国別構成比では米国が6割超を占め、世界分散投資であっても米国株式への大きなエクスポージャーを含みます。なお、米国株式部分にダイレクトにアクセスする手段として、Woodstockでは通常取引時間において約1,000銘柄の米国株・ETFを24時間取引できます(システムメンテナンス時を除く)。指数連動型のグローバル分散と、個別米国株への直接エクスポージャーを使い分ける際の選択肢となります。
30年の相対パフォーマンス比較|S&P 500とMSCI ACWIの差を読む
両指数の長期パフォーマンスを比較するうえで、まずMSCI ACWIの年率リターンを確認します。
MSCI ACWI指数の年率グロス・トータルリターン(USD)は、2026年4月30日時点で以下のとおりです。
期間 | 年率リターン(USD、グロス) |
1ヶ月 | +10.21% |
3ヶ月 | +3.70% |
1年 | +31.55% |
3年 | +20.37% |
5年 | +11.18% |
10年 | +12.80% |
1987年12月末設定来 | +8.82% |
(出典:MSCI ACWI Index Factsheet、2026年4月30日時点)
S&P 500の設定来(1957年〜)の年率トータルリターンが約10%であるのに対し、MSCI ACWIの設定来(1987年12月末〜)の年率リターンは+8.82%です。
長期の累積では、米国株式が世界株式全体をアウトパフォームしてきた傾向が読み取れます。ただし、これは特定の期間のデータであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
年次リターンの推移|米国株が劣後した局面も存在する
長期平均を見るだけでは、実態の一部しか見えません。年次リターンの推移を観察すると、米国株式が世界株式に劣後した局面が繰り返し存在してきたことがわかります。
直近5年間の年次リターン比較
年 | S&P 500(配当込み) | MSCI ACWI(グロス、USD) |
2025年 | +17.88% | +22.87% |
2024年 | +25.02% | +18.02% |
2023年 | +26.29% | +22.81% |
2022年 | -18.11% | -17.96% |
2021年 | — | +19.04% |
2020年 | — | +16.82% |
2019年 | — | +27.30% |
(出典:S&P Dow Jones Indices、2025年3月31日時点 / MSCI ACWI Index Factsheet、2026年4月30日時点)
2025年はMSCI ACWIが+22.87%に対し、S&P 500は+17.88%にとどまりました。アライアンス・バーンスタインの2026年株式市場見通しによれば、2025年は米国株が欧州・新興国・日本をアンダーパフォームしています(アライアンス・バーンスタイン株式会社、2026年)。
また、2000年〜2009年(ドットコムバブル崩壊・リーマンショック期)のS&P 500の年率リターンは約マイナス0.95%と、いわゆる「失われた10年」を記録しました。同期間にMSCI EAFE(米国を除く先進国)の割安株セグメントは年率8%超を記録しており、米国株が世界株に大きく劣後した局面でした(Dimensional Fund Advisors / Pyrford、finlab-se.com引用・整理)。
米国株の集中度と分散投資の重要性
2025年末時点でS&P 500の時価総額上位10銘柄の構成比は40%超に達し、集中度が過去最高水準に近づいています(アライアンス・バーンスタイン株式会社、2026年)。
AI関連企業をはじめとするグロース株が株価上昇をけん引してきた結果、指数全体の特定銘柄への依存度が高まっています。
この構造を踏まえると、分散投資の考え方は改めて注目に値します。
MSCI ACWI IMIの2025年12月31日時点での米国構成比率は62.7%で、2015年比で+9.9ポイント上昇しています(MSCI、2026年2月)。「世界分散」の指数でも、米国の影響が年々大きくなっているのが現状です。
グローバル株式への投資は、米国一極集中を緩和する可能性を持ちながらも、米国株式市場のパフォーマンスから切り離されるわけではありません。投資家の方それぞれのリスク許容度と目標に応じて、ポートフォリオの構成を検討することが重要です。
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外国株式の税金|二重課税と外国税額控除の基本
米国株などの外国株式に投資する際、税金の仕組みを理解しておくことは欠かせません。
申告分離課税の税率
上場株式等の配当所得・譲渡所得(売却益)に係る申告分離課税の税率は20.315%です。内訳は所得税および復興特別所得税15.315%と地方税5%で、この税率は令和25年(2043年)まで復興特別所得税を含む形で適用されます(国税庁タックスアンサーNo.1331、現行法令)。
二重課税と外国税額控除
日本の居住者が米国株の配当を受け取る場合、米国で源泉徴収された税額と日本国内の所得税が二重に課税される場合があります。
この二重課税を解消するため、確定申告において「外国税額控除」(タックスアンサーNo.1240)を申請することができます。控除限度額の計算式は「その年分の所得税額×(調整国外所得金額÷所得総額)」です(国税庁タックスアンサーNo.1240、令和6年4月1日現在)。
NISA口座での注意点
NISA口座(非課税口座)内の上場株式等の配当等に対して課される外国所得税額は、外国税額控除の対象とはなりません(租税特別措置法第9条の8に規定、国税庁タックスアンサーNo.1240)。
NISA口座で米国株の配当を受け取る場合、日本国内の課税は非課税になる一方、米国側で源泉徴収された税額は控除できないという点を把握しておく必要があります。
なお、Woodstockは現在NISA非対応で、特定口座(源泉徴収あり・なし選択可)を提供しています。NISA枠は他社で活用し、米国株の24時間取引はWoodstockで、という併用も選択肢の一つです。
税務に関するご判断は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制度については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
米国株式ETFとグローバル株式ETF|投資信託との違いも含めて整理
個別株を選ばずに株式市場全体へ投資する手段として、ETFが広く活用されています。
S&P 500に連動するETFは米国株式市場の約80%をカバーし、MSCI ACWIに連動するETFは世界47市場の株式を一括で保有する効果があります。投資信託と異なり、ETFは市場が開いている時間帯にリアルタイムで売買できる点が特徴です。
どちらの指数に連動するETFを選ぶかは、投資家の方が米国株式への集中度をどう評価するかによって変わります。
Woodstockでは米国株・ETFを0.0001株単位・最低200円から取引でき、取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料はすべて無料です。米国株式への投資を検討する際は、取扱銘柄や手数料の情報も参考にしてください。
まとめ
S&P 500は1957年設定来、配当込みで年率約10%の長期実績を持つ米国株式の代表指数です。MSCI ACWIは世界47市場をカバーしますが、米国の構成比は63%超を占めます。
長期では米国株式が世界株式全体をアウトパフォームしてきた傾向がありますが、2000年代のような「失われた10年」や、2025年のようにグローバル株式が米国株を上回る局面も存在します。年次リターンの振れ幅を理解したうえで、ご自身のポートフォリオを考えることが大切です。
外国株式の税金については、申告分離課税(20.315%)と外国税額控除の仕組みを把握し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。
よくある質問
Q. S&P 500とMSCI ACWIはどう違いますか?
S&P 500は米国の大型株500社で構成され、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーします。MSCI ACWIは先進国・新興国計47市場の2,514銘柄で構成され、世界の投資可能株式時価総額の約85%をカバーします。両指数ともに米国の比重が高く、MSCI ACWIの米国構成比は63.41%(2026年4月30日時点)です。
Q. 長期で見ると米国株とグローバル株式、どちらが高いリターンでしたか?
設定来の年率リターンで比較すると、S&P 500が約10%(1957年設定来、配当込み)、MSCI ACWIが+8.82%(1987年12月末設定来、グロス)です。ただし比較期間が異なるため単純比較はできません。また、2000年代のように米国株が世界株に大きく劣後した局面もあり、過去の実績は将来を保証するものではありません。
Q. 米国株の配当にかかる税金はどうなりますか?
日本の居住者が米国株の配当を受け取る場合、米国側での源泉徴収と日本国内の課税(申告分離課税20.315%)が二重に生じる場合があります。確定申告で外国税額控除を申請することで、二重課税を一定程度解消できる可能性があります。詳細は国税庁タックスアンサーNo.1240をご参照いただくか、税理士にご相談ください。
Q. NISA口座で米国株に投資する場合、外国税額控除は使えますか?
NISA口座内の配当に課される外国所得税額は、外国税額控除の対象となりません(租税特別措置法第9条の8)。日本国内の課税は非課税になりますが、米国側で源泉徴収された税額は控除できない点に注意が必要です。
Q. グローバル株式に分散投資すれば米国株のリスクを回避できますか?
MSCI ACWIの米国構成比は63%超であるため、グローバル株式指数への投資も米国株式市場の影響を大きく受けます。分散投資は特定の国・地域への集中を緩和する可能性がありますが、リスクをゼロにするものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いいたします。
米国株への直接エクスポージャーをポートフォリオに組み入れる第一歩として、Woodstockなら口座開設のお申込みは最短1分、米国株・ETFを200円から24時間取引できます。取引・為替・残高・出金の各手数料はすべて無料で、コストを抑えながら米国株のウエイトを調整できます。
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