2026年6月28日
米国株を1年保有すると総コストはいくらになるか
「100万円を米国株に投資したら、1年間でいくらコストがかかるのか」。
はじめて米国株を検討する方が最初に気になるのは、株価の動きだけではありません。手数料・為替・税金という3つのコスト層を正しく理解しておくことが、長期的な資産運用の土台になります。この記事では、100万円を1年保有して売却するという具体的なシナリオをもとに、年間の総コストを丁寧に試算します。
この記事のポイント
- 米国株の年間コストは「売買手数料・為替手数料・税金」の3層構造で成り立っている
- 100万円を1年保有して売却する場合、取引コスト(手数料)だけで最大約6,600円〜9,933円が発生する(証券会社・決済方法による)
- NISA口座を活用すると日本国内の税金(20.315%)が非課税になるが、米国側の源泉税(10%)は残る
米国株の年間コストを構成する3つの層
米国株投資にかかるコストは、大きく3つの層に分けて考えると整理しやすくなります。
① 売買手数料:株式を購入・売却するたびに証券会社に支払う手数料です。
② 為替手数料:円をドルに換える(または戻す)際に発生するスプレッドです。
③ 税金:売却益(譲渡益)や配当金に課される税金です。
この3層が積み重なることで、実質的な投資コストが決まります。それぞれを順番に解説します。
図:米国株の年間コストは、売買手数料、為替手数料、税金の3つが積み重なって実質的な投資コストを左右します。日本初、すべての手数料がゼロ
取引手数料、為替手数料、残高手数料、出金手数料がすべて、回数・金額の制限なしに無料
① 売買手数料:往復でいくらかかるか
主要ネット証券の標準的な手数料水準
主要ネット証券(特定口座)における米国株の売買手数料は、約定代金の0.495%(税込)、上限22米ドルが業界標準となっています(主要3社調査:2026年5月時点)※1。
100万円(150円換算で約6,667ドル)を1回購入する場合、上限の22ドル(約3,300円)が適用されます。
売却時も同額が発生するため、1年保有して売却する場合の売買手数料は往復で約6,600円です。
タイミング | 手数料(目安) |
買付時 | 約3,300円(22ドル上限) |
売却時 | 約3,300円(22ドル上限) |
合計(往復) | 約6,600円 |
(150円/ドル換算)
※1 SBI証券・楽天証券・マネックス証券の公式手数料ページを調査(2026年5月)。各社とも約定代金の0.495%(税込)、上限22米ドル(税込)。参照:SBI証券(https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/attention/trading/stock_gai_23.html)、楽天証券(https://www.rakuten-sec.co.jp/web/us/stock/commission.html)、マネックス証券(https://info.monex.co.jp/us-stock/fee.html)
1株から買える米国株の場合
米国株は1株単位で購入できる銘柄が多く、少額投資の場合は0.495%の定率が上限より低くなるケースもあります。たとえば10万円(約667ドル)の購入なら約330円(0.495%)が手数料として発生します。
投資金額によって手数料の計算方法が変わる点は、事前に確認しておきたいポイントです。なお、Woodstockでは取引手数料が無料で、約1,000銘柄(通常取引時間)の米国株・ETFを0.0001株単位・最低200円から取引できるため、少額の積み上げでも約定代金に対する手数料率を意識せずに済みます。
② 為替手数料:円貨決済と外貨決済で大きく差が出る
円貨決済の場合
円貨決済では、証券会社が円をドルに換える際にスプレッド(為替手数料)が発生します。標準的な水準は片道25銭です。
100万円分(約6,667ドル)を購入・売却する往復では、為替手数料は約3,333円となります。
決済方法 | 片道スプレッド | 往復コスト(100万円の場合) |
円貨決済 | 25銭/ドル | 約3,333円 |
外貨決済(一部証券会社) | 0銭(無料) | 0円 |
(出典:JPX「売買制度(外国株)」2026年4月15日更新)
外貨決済を活用するメリット
2026年5月時点では、外貨決済を利用した場合に片道0銭(無料)を提供する証券会社が複数存在します。たとえばWoodstockでは決済方法を問わず為替手数料が無料で、円貨決済を選んでも片道25銭のスプレッドを支払う必要がありません。外貨決済を選択できる場合、為替手数料のコストを大幅に削減できます。
ただし、一般的に外貨決済を利用するには事前にドルを購入しておく必要があるなど、手続きが増える点も考慮が必要です。
③ 税金:譲渡益と配当金それぞれの課税構造
譲渡益(売却益)への課税
米国株の売却益は、日本では「上場株式等に係る譲渡所得等」として申告分離課税の対象となります。税率は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。
この税率は2013年から2037年まで適用されます(出典:国税庁 No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」、令和6年4月1日現在)。
たとえば100万円が1年後に110万円になっていた場合、利益10万円に対して約20,315円の税金が課されます。
配当金への課税:日米二重課税に注意
配当金には日米両国で税金が課される二重課税の構造があります。
課税タイミング | 税率 | 内容 |
米国側(源泉徴収) | 10% | 日米租税条約適用後(条約前は30%) |
日本側(特定口座) | 20.315% | 申告分離課税 |
(出典:国税庁 No.1240「居住者に係る外国税額控除」、令和6年4月1日現在)
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合、日本側の20.315%は自動的に源泉徴収されます。さらに米国側で10%が差し引かれているため、受取配当金の手取りは二段階で減少します。
確定申告で外国税額控除を申請することで、控除限度額の範囲内で米国側の10%分を日本の税額から差し引くことができます(出典:国税庁 No.1240)。
100万円を1年保有した場合の総コスト試算
前提条件
試算にあたって、以下の条件を設定します。
- 投資元本:100万円(150円/ドル換算で約6,667ドル)
- 保有期間:1年
- 売買:買付1回・売却1回
- 配当利回り:約1.2%(S&P 500の2025年末時点の配当利回り1.15%を参考に設定。出典:S&P Dow Jones Indices「S&P 500 Dividend Index Points Report 2025」、2025年2月4日時点データ)
- 株価変動:シナリオA(元本維持)・シナリオB(10%上昇)で比較
シナリオA:株価変動なし(元本100万円のまま売却)
コスト項目 | 金額(円貨決済の場合) | 金額(外貨決済の場合) |
売買手数料(往復) | 約6,600円 | 約6,600円 |
為替手数料(往復) | 約3,333円 | 0円 |
譲渡益税 | 0円(利益なし) | 0円(利益なし) |
配当金(受取額) | 約12,000円(利回り1.2%) | 約12,000円 |
米国源泉税(配当の10%) | 約1,200円 | 約1,200円 |
日本側配当税(20.315%) | 約2,198円 | 約2,198円 |
年間総コスト合計 | 約13,331円 | 約9,998円 |
配当後の実質手取り | 約8,602円(配当12,000円-税3,398円-手数料9,933円) | 約2,202円(配当12,000円-税3,398円-手数料6,600円) |
※配当手取り=配当12,000円×(1-10%)×(1-20.315%)=約8,602円(外国税額控除なしの場合)
シナリオB:株価10%上昇(110万円で売却)
コスト項目 | 金額(円貨決済の場合) |
売買手数料(往復) | 約6,600円 |
為替手数料(往復) | 約3,333円 |
譲渡益税(10万円の20.315%) | 約20,315円 |
配当金(受取額) | 約12,000円 |
米国源泉税(配当の10%) | 約1,200円 |
日本側配当税(20.315%) | 約2,198円 |
年間総コスト合計 | 約33,646円 |
税金が加わることで、総コストが大幅に増加することがわかります。株価が上昇した場合、利益に対して20.315%が課されるため、税金が最大のコスト要因になります。
最短1分で口座開設申請
iPhoneのマイナンバーカードを使えば、すぐに本人確認が完了します。
NISA口座を活用した場合のコスト比較
NISAで変わること・変わらないこと
新NISA(2024年開始)の成長投資枠では、米国株(個別株・ETF)を年間240万円、生涯1,200万円(総枠1,800万円の内数)まで非課税で保有できます(出典:金融庁「NISAを知る:NISA特設ウェブサイト」、2024年)。
NISA口座を活用すると、日本国内の税金(20.315%)が非課税になります。ただし、すべてのコストがゼロになるわけではありません。
コスト項目 | 特定口座 | NISA口座 |
売買手数料 | 約6,600円(往復) | 0円(主要ネット証券の多くが無料) |
為替手数料 | 約3,333円(円貨決済) | 約3,333円(同条件) |
譲渡益税(日本) | 20.315% | 非課税 |
配当税(日本) | 20.315% | 非課税 |
米国源泉税(配当) | 10%(外国税額控除可) | 10%(控除不可) |
(出典:国税庁 No.1240「居住者に係る外国税額控除」、令和6年4月1日現在)
NISAでも残る米国源泉税
重要なのは、NISA口座内の配当金に対して課される米国源泉税(10%)は非課税の対象外であり、外国税額控除も利用できない点です(出典:国税庁 No.1240)。
特定口座であれば確定申告で外国税額控除を申請できますが、NISA口座ではその選択肢がありません。配当収入を重視する投資家の方は、この点を判断材料として考慮してください。
なお、Woodstockは現在NISA非対応で、特定口座(源泉徴収あり・なし選択可)を提供しています。NISA枠は他社で活用しつつ、米国株の24時間取引や手数料ゼロの環境はWoodstockで、という併用も選択肢の一つです。
証券会社の選択がコストに与える影響
手数料ゼロのサービスが登場
これまで見てきたように、証券会社によって手数料の水準は大きく異なります。主要ネット証券の標準的な売買手数料(往復約6,600円)と比較して、手数料ゼロのサービスを選択するだけで、年間数千円のコスト削減が可能です。
Woodstockでは、米国株・ETFの取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料はすべて無料です。
100万円を1年保有して売却する場合、手数料がゼロであれば、売買手数料と為替手数料の合計(最大約9,933円)がそのまま節約できます。
長期保有でコスト差が広がる
手数料の差は、長期投資になるほど複利効果と組み合わさって大きくなります。毎年の取引コストが積み重なることを考えると、証券会社の手数料体系は投資の初期段階で慎重に比較検討したいポイントです。
取扱銘柄の充実度や取引環境とあわせて、コスト面での比較を行うことをおすすめします。Woodstockの場合、一般的な国内証券会社の手数料水準(取引手数料0.495%、為替手数料25銭/ドル)を仮定した場合との比較で、年間約15万円相当のコスト削減に相当するとの試算が公開されています(算出根拠・1ドル=156円・年間米国株取引額約2,300万円を想定/2026年1月時点 当社調べ)。
短期取引と長期保有でコスト構造はどう変わるか
短期取引が割高になる理由
売買手数料は取引のたびに発生します。1年間に複数回売買を繰り返す短期取引では、手数料の負担が積み重なります。
たとえば100万円の資金で月1回売買を繰り返した場合、売買手数料だけで年間約79,200円(6,600円×12回)に達します。株価変動で利益を得るためには、この手数料を上回るリターンが必要になります。
一方、長期保有では売買回数が少ないため、手数料の影響を最小化できます。コスト構造の観点からは、長期投資のほうが手数料負担を抑えやすい方法といえます。
信用取引を利用する場合の追加コスト
信用取引では、売買手数料に加えて金利・貸株料などの追加コストが発生します。信用取引は現物取引に比べてコスト項目が多く、リスクも高まるため、はじめて米国株投資を検討する方には現物取引から始めることが一般的です。
なお、Woodstockは現時点では信用取引に対応していません。
まとめ
米国株を1年保有する場合の総コストは、証券会社の手数料水準・決済方法・税制の活用状況によって大きく変わります。
100万円を円貨決済・主要ネット証券の標準手数料で1年保有して売却する場合、取引コストだけで約9,933円が発生します。さらに譲渡益や配当金への税金が加わると、総コストはシナリオによって数万円規模になります。
コストを最小化するための主なポイントは3つです。
- 手数料ゼロのサービスを活用する(売買手数料・為替手数料)
- NISA口座で日本側の税金を非課税にする(ただし米国源泉税10%は残る)
- 長期保有で売買回数を抑える(手数料の積み重ねを防ぐ)
投資にあたっての最終的な判断はご自身でお願いいたします。税務に関するご判断は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制度については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
よくある質問
Q1. 100万円を米国株に投資した場合、手数料だけで年間いくらかかりますか?
主要ネット証券の標準的な手数料(0.495%、上限22ドル)で円貨決済を利用した場合、売買手数料(往復約6,600円)+為替手数料(往復約3,333円)で合計約9,933円が目安です。外貨決済かつ手数料ゼロのサービスを利用すれば、取引コストを大幅に削減できます。
Q2. NISA口座で米国株を保有すると税金はゼロになりますか?
日本国内の税金(譲渡益・配当への20.315%)は非課税になります。ただし、米国側で課される源泉税(日米租税条約適用後10%)は非課税の対象外です。また、NISA口座では外国税額控除も利用できません(出典:国税庁 No.1240、令和6年4月1日現在)。
Q3. 配当金にはどのような税金がかかりますか?
米国株の配当金には、米国側で10%(日米租税条約適用後)、日本側で20.315%が課されます。特定口座(源泉徴収あり)では日本側の税金が自動的に差し引かれます。特定口座の場合、確定申告で外国税額控除を申請することで、控除限度額の範囲内で米国側の10%分を取り戻せる可能性があります(出典:国税庁 No.1240)。
Q4. 短期売買と長期保有では、どちらがコスト的に有利ですか?
手数料は取引のたびに発生するため、売買回数が多い短期取引ではコストが積み重なります。長期保有は売買回数が少ない分、手数料負担を抑えやすい方法です。ただし、投資判断は株価変動リスクも含めてご自身でご検討ください。
Q5. 手数料をとる証券会社と手数料ゼロのサービスでは、年間でどのくらい差が出ますか?
100万円を1年保有・円貨決済の場合、主要ネット証券の標準手数料では売買手数料と為替手数料の合計が約9,933円です。手数料がすべて無料のサービスでは、この約9,933円がそのままコスト削減になります。長期保有・複数銘柄への分散投資を行う場合、この差はさらに大きくなります。
本記事で試算した年間コストを実際に「ほぼゼロ」に近づける選択肢として、Woodstockなら取引・為替・残高・出金の4手数料がすべて無料で、米国株を24時間・0.0001株単位・200円から取引できます。コスト構造を見直すきっかけとして、口座開設や手数料の詳細をご確認ください。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※株式投資は元本保証の商品ではなく、価格変動リスク、信用リスク、権利行使・契約解除の制限、為替リスク、流動性リスク、カントリーリスク等を主因として投資元本を割り込むことがあります。米国株式に関するリスクの詳細は、所属金融商品取引業者であるAlpacaJapan株式会社が交付する上場有価証券等書面・契約締結前交付書面を必ずご確認ください。
・税務に関するご判断は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制度については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会