2026年7月5日
米国株の譲渡益税の基礎|20.315%の中身
米国株を売却して利益が出たとき、税金はどうなるのでしょうか。
「20.315%という数字は聞いたことがあるけれど、その内訳や計算方法がよくわからない」という投資家の方は多いはずです。この記事では、米国株投資における譲渡益税の3層構造から計算方法、特定口座の仕組み、損益通算・繰越控除まで、確定申告に必要な税金の基礎知識を整理します。
この記事のポイント
- 米国株の譲渡益に課される税率20.315%は「所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%」の3層構造
- 特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が年間の譲渡損益を計算・源泉徴収し、申告不要を選択できる
- 損失が出た年も確定申告することで、翌年以後3年間の繰越控除が活用できる
米国株の譲渡益課税とは|申告分離課税の制度・税率・国内上場株式との違い
米国株(外国株式)を売却して利益が生じた場合、その譲渡益には20.315%の税率が適用されます。
この税率は国内の上場株式等と同一であり、申告分離課税として他の所得とは分けて課税されます。申告分離課税とは、給与所得や事業所得などの総合課税とは切り離し、株式等の譲渡益だけを別の税率で計算する制度です。
米国株の取引で生じた利益は、日本国内の証券会社を通じた取引であっても同じ課税方式が適用されます。投資を始める前に、課税の仕組みを把握しておくことが重要です。
出典:国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(2025年4月1日現在)
図:米国株の譲渡益には、国内上場株式等と同じ20.315%の税率で申告分離課税が適用されます。日本初、すべての手数料がゼロ
取引手数料、為替手数料、残高手数料、出金手数料がすべて、回数・金額の制限なしに無料
20.315%の内訳|所得税・復興特別所得税・住民税の3層構造をわかりやすく解説
20.315%は、以下の3つの税目で構成されています。
税目 | 税率 | 課税主体 |
所得税 | 15% | 国 |
復興特別所得税 | 0.315%(所得税額の2.1%相当) | 国 |
住民税 | 5% | 都道府県・市区町村 |
合計 | 20.315% |
所得税15%と住民税5%が基本の構造です。
これに加えて、復興特別所得税が2013年(平成25年)から2037年(令和19年)12月31日まで課されます。所得税額に2.1%を乗じた額なので、15%×2.1%=0.315%となります。
米国株の譲渡益も国内の上場株式等と同じ課税方式が適用されるため、税率の面では国内株式と区別する必要はありません。上場株式等に係る譲渡益は、給与所得などの他の所得とは分離して課税される点が特徴です。
出典:国税庁「株式・配当・利子と税」(令和7年4月1日現在)
米国株の譲渡益の計算方法|取得費・手数料・年間損益の求め方
譲渡益の計算式は次のとおりです。
譲渡益 = 譲渡価額 −(取得費 + 委託手数料等)
たとえば、ある銘柄を10万円で購入し、15万円で売却した場合を考えます。
項目 | 金額 |
売却価額(譲渡価額) | 150,000円 |
取得費 | 100,000円 |
委託手数料等 | 0円(Woodstockの場合) |
譲渡益 | 50,000円 |
税額(20.315%) | 約10,158円 |
取得費には、購入時の株価だけでなく、購入時の委託手数料も含まれます。年間を通じた取引の手数料を正確に記録しておくことが、税額計算の精度を高めます。
また、複数回に分けて同一銘柄を購入した場合、取得費は取得単価の平均で計算します。年間の取引が多い場合でも、証券会社が発行する年間取引報告書を活用することで、譲渡益の集計が容易になります。
なお、Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料です。手数料ゼロで取引できるため、手数料が譲渡益の計算式に影響しません。算出根拠はこちらをご参照ください。
出典:国税庁「株式・配当・利子と税」(令和7年4月1日現在)
米国株の円換算と為替レート|外貨建て取引における譲渡益の計算方法
米国株は外貨建てで取引されるため、譲渡益を計算する際に円換算が必要です。
原則として、取引日における対顧客直物電信売相場と対顧客直物電信買相場の仲値(T.T.M.)で換算します。ただし、売却収入はT.T.B.、取得費はT.T.S.で換算する方法も、継続して適用することを条件に認められています。
重要なのは、外貨建て取引の為替差損益を別途「雑所得」として区分する必要はない点です。外国株式等の譲渡対価の邦貨換算額が、株式等の譲渡に係る収入金額として一括して取り扱われます。
米国株の売買では、取引のたびに円換算が発生します。換算方法を一度決めたら継続して適用することが、正確な譲渡益の計算につながります。
出典:国税庁「外貨建取引による株式の譲渡による所得(質疑応答事例)」(令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づく)
特定口座(源泉徴収あり)を使えば確定申告が不要になる制度|証券会社が年間損益を計算
米国株の取引では、口座の種類によって確定申告の要否が変わります。
特定口座(源泉徴収あり)を選択した場合、証券会社が年間の譲渡損益を計算し、源泉徴収を行います。この場合、申告不要を選択することができ、確定申告の手間を省けます。
一方、一般口座や**特定口座(源泉徴収なし)**では、自分で確定申告を行う必要があります。
口座の種類 | 譲渡損益の計算 | 源泉徴収 | 確定申告 |
特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が実施 | あり | 申告不要を選択可 |
特定口座(源泉徴収なし) | 証券会社が実施 | なし | 原則必要 |
一般口座 | 自分で計算 | なし | 原則必要 |
特定口座制度は、日本国内の証券会社を通じた上場株式等の取引に適用される制度です。米国株を国内証券会社経由で取引する場合も、特定口座を利用することで年間の譲渡損益管理を証券会社に委ねることができます。
出典:国税庁「No.1476 特定口座制度」(2025年4月1日現在)
なお、Woodstockでは特定口座を提供しており、源泉徴収あり口座では原則として確定申告が不要です。一方、Woodstockは現在NISA非対応のため、NISA枠を活用したい場合は他社口座と併用する形になります。口座の詳細はお取引ページをご参照ください。
損益通算と繰越控除|米国株の譲渡損失を確定申告で翌年以降に活かす方法
米国株の取引で損失が出た場合も、確定申告を行うことで税負担を軽減できる制度があります。
損益通算とは、同年分の上場株式等の配当所得等(申告分離課税を選択したものに限る)と譲渡損失を合算して税額を計算する方法です。たとえば、ある銘柄で20万円の譲渡益が出て、別の銘柄で8万円の損失が出た場合、損益通算後の課税対象は12万円となります。
繰越控除とは、損益通算後も控除しきれなかった損失を、翌年以後3年間にわたって繰り越す制度です。
繰越控除を受けるには、次の点に注意が必要です。
- 損失が生じた年分の確定申告書を提出すること
- その後の年においても連続して確定申告書を提出し続けること
- 取引がなかった年も申告が必要
損益通算・繰越控除はいずれも確定申告が必要な手続きです。特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選んでいた場合でも、これらの制度を利用するには確定申告が必要になります。
出典:国税庁「No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(2025年4月1日現在)
最短1分で口座開設申請
iPhoneのマイナンバーカードを使えば、すぐに本人確認が完了します。
米国株の配当金と課税|申告分離課税・損益通算・確定申告の方法と税率
米国株の配当金にも税金がかかります。上場株式等の配当所得等に申告分離課税を選択した場合、税率は譲渡益と同じ20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)です。
申告分離課税を選択した場合、配当控除の適用はありません。ただし、申告分離課税を選ぶことで、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能になります。損失が大きい年に配当所得と通算することで、課税される利益を圧縮できる場合があります。
配当金に係る確定申告の方法は、申告分離課税と総合課税のいずれかを選択できます。どちらが有利かは個人の所得状況によって異なります。
米国株の配当金には米国側でも課税される場合があり、外国税額控除の適用が検討できるケースもあります。ご自身の状況については、税理士等の専門家にご相談ください。
出典:国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」(2025年4月1日現在)
米国株投資で確定申告が必要なケース・不要なケース|課税・手数料・制度を整理
米国株投資において、確定申告が必要なケースと不要なケースをまとめます。
確定申告が不要なケース
- 特定口座(源泉徴収あり)を選択し、申告不要を選んだ場合
確定申告が必要なケース(または申告することで有利になるケース)
- 一般口座または特定口座(源泉徴収なし)で取引している場合
- 損益通算を行いたい場合(複数口座間での通算を含む)
- 繰越控除を利用したい場合(損失が生じた年以降、連続申告が必要)
- 外国税額控除を申請したい場合
米国株の取引では、年間の譲渡益・配当金・手数料の情報を整理したうえで、確定申告の要否を判断することが重要です。国内の上場株式等と同じ課税制度が適用されるため、仕組みを理解しておくと申告時の手続きがスムーズになります。
年間の取引状況を把握するうえでは、証券会社が発行する年間取引報告書が重要な情報源となります。取引の詳細はお取引ページも合わせてご確認ください。
税務上の判断は個人の状況によって異なります。詳細は税理士等の専門家にご相談ください。
米国株の税金に関するよくある疑問|確定申告・譲渡益・制度の注意点
米国株の税金について、投資家の方からよく寄せられる疑問を整理します。
「米国株の税金は国内株と違うのか」
税率・課税方式はどちらも同じです。日本国内の証券会社を通じた米国株の取引には、国内上場株式等と同一の申告分離課税(20.315%)が適用されます。制度の面では区別する必要がありません。
「年間を通じて損失しか出なかった場合はどうなるか」
譲渡益が生じなければ課税されません。ただし、翌年以後の繰越控除を活用するためには、損失が出た年分の確定申告書を提出しておく必要があります。取引がなかった年も連続申告が求められます。
「手数料は取得費に含められるか」
株式等の取得費には、購入時の委託手数料等を含めることができます。手数料が多いほど取得費が増え、計算上の譲渡益を圧縮できます。Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料のため、手数料による取得費への影響はありません。
まとめ
米国株の譲渡益税20.315%は、所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の3層構造です。国内の上場株式等と同一の税率・課税方式が適用されます。
譲渡益の計算は「譲渡価額−(取得費+委託手数料等)」が基本です。特定口座(源泉徴収あり)を活用すれば確定申告が不要になる一方、損益通算や繰越控除を利用したい場合は確定申告が必要です。米国株投資では、年間の取引情報を正確に把握し、自分に合った申告方法を選ぶことが大切です。税務上の判断は個人の状況によって異なりますので、詳細は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制情報は国税庁のWebサイトでご確認ください。
よくある質問
Q1. 米国株を売却しても利益が少ない場合、税金はかかりますか?
A. 譲渡益が生じた場合、金額の大小にかかわらず原則として20.315%の課税対象となります。特定口座(源泉徴収あり)では、証券会社が自動的に源泉徴収を行います。
Q2. 米国株の売却益は確定申告が必要ですか?
A. 特定口座(源泉徴収あり)を選択し申告不要を選んだ場合は、確定申告は不要です。一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の場合は、原則として確定申告が必要です。損益通算や繰越控除を利用したい場合も確定申告が必要となります。
Q3. 損失が出た年に確定申告をしなかった場合、繰越控除は使えますか?
A. 損失が生じた年分の確定申告書を提出していない場合、繰越控除は受けられません。損失が出た年も忘れずに申告することが重要です。
Q4. 為替差益は別途課税されますか?
A. 外国株式等の譲渡に係る為替差損益は、株式等の譲渡に係る収入金額として一括して取り扱われます。別途「雑所得」として区分する必要はありません。
Q5. 配当金と譲渡損失は損益通算できますか?
A. 申告分離課税を選択した配当所得等と、上場株式等の譲渡損失は損益通算できます。ただし、確定申告が必要です。詳細はご自身の状況に応じて税理士にご相談ください。
米国株の譲渡益税の仕組みを押さえたら、次は実際の取引環境を整える段階です。Woodstockなら、取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料で、計算式に手数料コストが入り込みません。米国株を200円・0.0001株単位から24時間取引でき、特定口座(源泉徴収あり)にも対応しているため、年間の譲渡損益管理もシンプルに進められます。詳しくは口座開設ページをご覧ください。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※株式投資は元本保証の商品ではなく、価格変動リスク、信用リスク、権利行使・契約解除の制限、為替リスク、流動性リスク、カントリーリスク等を主因として投資元本を割り込むことがあります。米国株式に関するリスクの詳細は、所属金融商品取引業者であるAlpacaJapan株式会社が交付する上場有価証券等書面・契約締結前交付書面を必ずご確認ください。
税務に関するご判断は税理士等の専門家にご相談ください。最新の税制度については国税庁(https://www.nta.go.jp)をご確認ください。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会