2026年6月11日
米国株と日本株の流動性の差を数字で見る
米国株と日本株、どちらに投資するか迷ったとき、「売買のしやすさ」は見落とされがちなポイントです。 株価が動いても、すぐに売買できなければ意味がありません。
この記事では、1日売買代金とスプレッドという2つの指標を軸に、米国株と日本株の流動性の差を数字で解説します。 短期売買を検討している方にも、長期投資を考えている方にも、知っておいて損のない情報です。
この記事のポイント
- 米国株式市場の1日平均売買代金は東証プライム市場の約17倍超(2025年通年比較)
- 米国株の呼値は1セント刻みで、東証の価格帯別呼値より相対スプレッドが小さくなりやすい
- 取引時間・値幅制限・上場銘柄数など、流動性に関わる制度の違いも投資判断に影響する
流動性とは何か?投資家が気にする理由を解説
流動性とは、ある資産をすばやく・希望に近い価格で売買できる能力のことです。 株式市場においては、「売りたいときに売れる」「買いたいときに買える」状態が流動性の高い市場です。
流動性が低いと何が起きるでしょうか。 注文を出しても約定しなかったり、売買のたびに想定外のコストが発生したりします。
特に株の短期売買を行う投資家にとって、流動性は収益に直結する要素です。 長期投資家にとっても、いざというときに売却できない市場はリスクになります。
日本初、すべての手数料がゼロ
取引手数料、為替手数料、残高手数料、出金手数料がすべて、回数・金額の制限なしに無料
1日売買代金の比較:米国株と日本株の差は何倍か
流動性を測る最もわかりやすい指標が、1日平均売買代金(ADVT)です。 どれだけの金額が1日に動いているかを示す数字で、マーケットの厚みを表します。
東証プライム市場の売買代金
日本取引所グループ(JPX)の発表によると、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の東証プライム市場(内国普通株)の1日平均売買代金は6兆7,015億円でした(出典:JPX「2025年度及び2026年3月の売買状況について」、2026年4月1日時点)。
直近では、2026年3月に9兆1,337億円、2026年4月に8兆9,031億円と高水準が続いています(出典:JPX「2026年4月の売買状況について」、2026年5月1日時点)。
米国株式市場の売買代金
一方、米国株式市場の2025年(暦年)の1日平均売買代金は約8,243億ドル(約120兆円超)で、前年比+36%の過去最高を記録しました(出典:Rosenblatt Securities「US Securities Volumes: 2025 Year-In-Review」、2026年1月時点)。
さらに2026年3月には1日平均売買代金が約1兆1,000億ドル(約160兆円超)に達し、過去2番目の高水準となっています(出典:Rosenblatt Securities「US Securities Volumes: March 2026」、2026年4月時点)。
図:なぜ米国株はドル建てなのか?国内株式との決定的な違い数字で見る差
指標 | 東証プライム市場 | 米国株式市場 |
1日平均売買代金(2025年度/暦年) | 約6兆7,015億円 | 約120兆円超(約8,243億ドル) |
1日平均売買代金(2026年3月) | 約9兆1,337億円 | 約160兆円超(約1兆1,000億ドル) |
時価総額(2025年末時点) | 約7兆6,105億ドル | 約68兆9,379億ドル |
時価総額の倍率 | 1倍 | 約9.1倍 |
(出典:JPX各発表・Rosenblatt Securities・世界銀行統計、graphtochart.com経由、2026年4月17日更新)
2025年通年で比較すると、米国株式市場の1日売買代金は東証プライム市場の約17倍超に相当します。 この差は、マーケットの厚みそのものです。
スプレッドで見る米国株と日本株の違い
売買代金と並んで重要なのが、ビッド・アスク・スプレッド(買値と売値の差)です。 スプレッドが小さいほど、投資家が取引のたびに負担するコストが少なくなります。
呼値(最小価格刻み)の比較
米国株式(NYSE・NASDAQ)の呼値は**1セント(約1.5円)**です。 株価に関わらず一律1セント刻みで、シンプルな制度です。
東証プライム市場の呼値は、株価の価格帯によって異なります。 例えば3,000〜5,000円の価格帯では5円刻みとなります(出典:JPX「呼値の単位」、2025年5月7日改定・現行制度)。
相対スプレッドへの影響
相対スプレッドとは、スプレッドを株価で割った比率です。
例として、3,500円の日本株で呼値が5円の場合、最小スプレッドの相対比率は約0.14%になります。 一方、株価35ドル(約5,250円)の米国株で呼値が1セントの場合、最小スプレッドの相対比率は約0.029%です。
同程度の株価帯でも、相対スプレッドには大きな差が生じます。 短期売買を繰り返す投資家にとって、この差は積み重なると無視できないコストになります。
なお、相対スプレッドに加えて、取引時に証券会社へ支払う手数料も総コストに含まれます。 Woodstockでは取引手数料・為替手数料・残高手数料・出金手数料がすべて無料のため、米国株の小さい相対スプレッドのコスト優位性をそのまま受け取りやすい設計です(手数料の詳細とその算出根拠はこちら)。
NYダウ・S&P 500と日経平均:株価指数のパフォーマンスと市場規模の比較
米国株と日本株の違いを語るとき、代表的な株価指数の比較は欠かせません。
代表的な株価指数
指数 | 市場 | 構成銘柄数 |
日経平均株価 | 東証(プライム中心) | 225銘柄 |
TOPIX | 東証全体 | 約2,000銘柄以上 |
NYダウ(ダウ平均) | NYSE・NASDAQ | 30銘柄 |
S&P 500 | NYSE・NASDAQ | 500銘柄 |
NASDAQ総合指数 | NASDAQ | 約3,000銘柄以上 |
NYダウはわずか30社の株価で構成され、米国を代表する大企業の動向を示します。 S&P 500は500社を対象とし、より広い米国経済の推移を反映する指数として世界中の投資家に参照されています。
日経平均は225銘柄、TOPIXは東証全市場をカバーする指数です。 どちらも国内経済・企業業績を反映しますが、世界の金融市場での影響力は米国株価指数が圧倒的です。
市場規模と上場銘柄数の差
2026年5月21日時点で、東証全市場の上場会社数は3,918社(プライム1,563社・スタンダード1,577社・グロース598社・TOKYO PRO Market 180社)です(出典:JPX「上場会社数・上場株式数」、2026年5月21日時点)。
一方、NYSE・NASDAQの上場銘柄数は合計約5,900銘柄超(NYSE約2,400社、NASDAQ約3,500社)で、銘柄数でも米国市場が大幅に上回ります(出典:同上)。
銘柄数が多いほど、投資家は分散投資の選択肢を広く持てます。 また、流動性の高い銘柄が多く存在することで、大口の取引でも市場への影響が出にくくなります。
取引時間の違い:米国株は昼休みなしで6時間30分
株の売買時間も、流動性に関わる重要な制度上の違いです。
東証の現物株取引時間は、平日9:00〜11:30・12:30〜15:30(計5時間30分)です。 昼休みが1時間あり、その間は取引ができません。 2024年11月に30分延長されましたが、昼休みは依然として存在します(出典:日本経済新聞「東証、株式取引時間延長を正式決定 2024年11月から」、2023年9月20日・2024年11月5日実施)。
NYSE・NASDAQの取引時間は現地時間9:30〜16:00(計6時間30分)で、昼休みはありません。
項目 | 東証 | NYSE・NASDAQ |
取引時間 | 5時間30分(昼休み1時間あり) | 6時間30分(昼休みなし) |
開始時刻 | 9:00 | 9:30(現地時間) |
終了時刻 | 15:30 | 16:00(現地時間) |
さらに、日本の投資家が米国株に注目する理由の一つが、時間外取引の存在です。 米国株には市場時間外(プレマーケット・アフターマーケット)にも取引できる仕組みがあり、決算発表など重要情報への即応が可能です。
日本の生活時間で米国市場の通常取引時間(日本時間の深夜帯)をフォローし続けるのは現実的に難しい場面もあります。 Woodstockはこの時間ギャップに対応するため、システムメンテナンス時を除き24時間で米国株・ETFのお取引を受け付けています(一部時間外取引対象外の銘柄あり)。
最短1分で口座開設申請
iPhoneのマイナンバーカードを使えば、すぐに本人確認が完了します。
値幅制限(ストップ高・ストップ安)の有無:制度の差が短期売買に影響
米国株と日本株では、価格変動に対する制度も異なります。
東証には値幅制限(ストップ高・ストップ安)があります。 基準値段に応じて上下の制限値幅が設定されており、例えば基準値段1,000円未満の銘柄は上下150円が上限です(出典:JPX「制限値幅」、2026年5月時点現行制度)。
一方、米国株式市場には日本株のような値幅制限が存在しません。 代わりに、市場全体が急落した際に取引を一時停止するサーキットブレーカー制度が採用されています。
この違いは短期売買の戦略に影響します。 値幅制限がある東証では、急騰・急落局面でストップ高・ストップ安が続くと、売買できない状態が続くことがあります。 米国株では理論上は制限なく価格が動くため、ボラティリティが高い局面でも約定しやすい半面、大きな損失が生じる可能性もあります。
米国株と日本株における「値幅制限の有無」「株主還元文化」「流動性の差」が、短期売買や長期投資に与える影響・リスクをまとめた比較図(※本画像はAIにより生成)配当・株主還元の文化と流動性の関係
米国企業は配当の継続・増配を重視する文化が根付いています。 株主還元への姿勢が明確な企業が多いことで、世界中の機関投資家・個人投資家が米国株式市場に資金を集め、流動性の高さを支える一因となっています。
一方、日本株も近年は株主還元への意識が高まり、配当利回りや自社株買いに積極的な会社が増えています。 しかし、米国企業と比較すると、株主還元を経営の最優先事項として位置づける文化の浸透度には差があります。
配当や株主還元への姿勢は、長期的な資金の流入・流出にも影響します。 安定した配当を期待できる市場には、長期資金が集まりやすく、それが流動性の底上げにつながります。
流動性の差が短期売買・長期投資に与えるリスクと影響
流動性の差は、投資スタイルによって異なる形で影響します。
株の短期売買を行う場合、流動性の低い銘柄では希望価格での約定が難しくなります。 スプレッドが広い銘柄を頻繁に売買すると、取引コストが積み上がります。 米国株式市場の高い流動性は、短期売買においてより約定しやすい環境を提供しています。
長期投資の場合でも、流動性は重要です。 保有期間中に相場が急変したとき、流動性が低い市場では売却が困難になることがあります。 米国株の高い流動性は、いざというときの出口戦略の選択肢を広げます。
ただし、流動性が高い市場は参加者も多く、情報の反映が速いため、個人投資家が市場の非効率性を利用して利益を得ることは容易ではありません。 どちらの市場にも固有のリスクがあり、投資の最終判断はご自身でお願いします。
まとめ
米国株と日本株の流動性の差は、数字を並べると一目瞭然です。
1日売買代金は米国株式市場が東証プライム市場の約17倍超(2025年通年)。 時価総額は約9.1倍。上場銘柄数も米国市場が上回ります。 呼値の仕組みから生まれる相対スプレッドの差、取引時間の長さ、値幅制限の有無など、制度面でも多くの違いがあります。
これらの差は、株の短期売買・長期投資どちらにとっても無視できない要素です。 米国株と日本株、それぞれの特性を理解したうえで、ご自身の投資スタイルに合った選択をしてください。
米国市場のこうした厚みを日本から実際に取りに行く手段として、Woodstockでは通常取引時間に約1,000銘柄の米国株・ETFを0.0001株単位・200円から取引できます。
よくある質問
Q1. 流動性が高い市場で取引するメリットは何ですか?
流動性が高い市場では、希望に近い価格で売買が成立しやすくなります。 スプレッドが小さくなりやすく、短期売買のコスト負担が軽減される傾向があります。 また、売りたいときに売れる安心感が、長期投資家にとっても重要です。
Q2. 米国株の取引時間は日本時間で何時ですか?
NYSE・NASDAQの通常取引時間は現地時間9:30〜16:00です。 日本時間では、夏時間(3月〜11月頃)は23:30〜翌6:00、冬時間(11月〜3月頃)は0:30〜翌7:00に相当します。 なお、Woodstockでは24時間取引に対応しています(システムメンテナンス時を除く。一部時間外取引対象外の銘柄あり)。
Q3. 東証の値幅制限はどのように機能しますか?
東証では株価の価格帯ごとに1日の上下の値動き幅が制限されています。 例えば基準値段1,000円未満の銘柄は上下150円が上限で、その範囲を超えた価格での取引はできません(出典:JPX「制限値幅」、2026年5月時点)。 米国株にはこのような値幅制限はなく、代わりにサーキットブレーカー制度があります。
Q4. 日経平均とNYダウはどう違いますか?
日経平均は東証上場の225銘柄の株価を基に算出される指数です。 NYダウ(ダウ平均)は米国を代表する30社の株価で構成される指数で、世界の金融市場で広く参照されています。 どちらも代表的な株価指数ですが、対象銘柄数・算出方法・市場規模が異なります。
Q5. 米国株の短期売買は初心者でも可能ですか?
米国株は流動性が高く、1セント刻みの呼値で売買できるため、約定しやすい環境があります。 ただし、為替変動リスクや情報収集の必要性など、日本株とは異なる注意点もあります。 投資の判断はご自身の知識・経験・リスク許容度をもとに行ってください。
本記事で見てきた米国市場の取引時間の長さと厚みを日本から活かしたい方にとって、Woodstockは取引・為替・残高・出金の4つの手数料がすべて無料、24時間の米国株・ETF取引に対応した選択肢の一つです。 口座開設はアプリで最短1分、200円・0.0001株単位から取扱銘柄(通常取引時間に約1,000銘柄)の取引を開始できます。
【免責事項】
・米国株式等の金融商品の取引に際しては、契約締結前交付書面等をよくお読みください。
・米国株式等の売買等にあたっては、株式相場や金利水準、為替水準等の変動や株式等の発行者等の業務や財産の状況等の変化による価格等の変動によって損失が生じるおそれがあります。
・米国株式の売買にあたっては、手数料はいただきません。
・投資にあたっての最終決定はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
・本サービスの利用にはAlpacaJapan株式会社の口座開設が必要です。
・本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
Woodstock株式会社(金融商品仲介業者 登録番号:関東財務局長(金仲)第965号)
所属金融商品取引業者:AlpacaJapan株式会社(金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第3024号)
加入する協会:日本証券業協会/一般社団法人資産運用業協会