キャタピラーを初の空売り:著名投資家マイケル・バーリ氏、AI期待先行のバリュエーション肥大化を警戒
要点: マイケル・バーリ氏は、AI投資ブームで大きく買われたキャタピラーを初めて空売りし、事業悪化ではなくAI関連期待で株価が利益見通し以上に割高になったとの見方を示した
キャタピラーを初の空売り:著名投資家マイケル・バーリ氏、AI期待先行のバリュエーション肥大化を警戒
米建設機械大手のキャタピラー(CAT)株が、2026年のAI相場の波に乗ってほぼ倍増するなか、『マネー・ショート』のモデルとして知られる著名投資家マイケル・バーリ氏が同社株を1株1,060.98米ドルで初めて空売りしたことが明らかになった。同時に同氏は、エヌビディア(NVDA)やアプライド・マテリアルズ(AMAT)、テスラ(TSLA)、半導体株ETFなどへの新たな弱気ポジションも開示しており、AI主導の市場ラリー全般に対する警戒感を示している。
今回の空売りにおいて重要なのは、キャタピラーの足元の重機需要や利益率、経営執行に突発的な問題が生じたわけではないという点だ。キャタピラーは純粋なAI企業ではないが、AIデータセンターの建設ラッシュや送電網などの電力インフラ整備に伴う大規模な土木造成需要から、設備投資サイクルにおける「間接的なAI最有力テーマ株」として資金が流入していた。バーリ氏の仮説は、こうしたテーマ性による株価上昇が、実際の収益見通しの改善ペースを追い抜いて過度に割高になっているという「価格と期待値の歪み」に基づいている。
ただし、今回の弱気シナリオには課題やリスクも残る。バーリ氏は詳細なバリュエーションモデルや株価急落の引き金を明示しておらず、空売りのタイミングに関する具体的な根拠は不透明だ。もしAI関連のインフラ投資が今後も送電網の更新や大型プロジェクトへと拡大し続ければ、重機需要は市場の予想を超えて長期にわたり高止まりし、高水準のバリュエーションが正当化され続けるリスクもある。今回の開示は、長期的な企業価値の崩壊を意味するものではなく、AIブームの熱狂が産業セクターの恩恵銘柄にまで過剰な期待を植え付けているという、市場への一石として捉えるのが妥当だろう。
2026-06-30T21:00:51.620253+00:00 UTC 公開
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