January 26, 2024
ニュースケール・パワー SMR株価1年で約10倍に 原子力小型モジュールとは?SMR関連銘柄まとめ

ニュースケール・パワー SMR株価1年で約10倍に 原子力小型モジュールとは?SMR関連銘柄まとめ
ニュースケールパワー(SMR)の株価は一年で+967.49%と大幅に上昇しています。ニュースケールパワーやOpenAIサム・アルトマン氏が会長のオクロ(OKLO)が開発を進める小型モジュール原子炉(SMR)について、解説していきます。

本記事では、投資アプリを運営するウッドストック経済部が
・SMRってそもそもなに?
・SMR関連株価は上昇したの?
・SMRの将来性は?
という方への疑問を持った方に向けて、ニュースケール・パワーの事業内容、独自性、そして将来性について掘り下げていこうと思います。
(*本記事は現状を分析した筆者個人の見解を述べるに留まり、投資のアドバイスではありません。)
- 1. SMR株価1年で約10倍に 原子力小型モジュールとは?
- SMRは小さい原子力発電所
- SMRの3つの特徴
- 2. 最近SMR関連が急上昇している理由
- 3. ニュースケールパワー($SMR)とはどんな企業なの
- SMRの先駆者的存在
- ニュースケールのSMRの技術
- 自然循環を利用した安全システム
- 日本企業出資も、2023年には計画頓挫
- 3. SMRの将来性は?
- 4. SMR(小型原子炉モジュール)関連銘柄まとめ
1. SMR株価1年で約10倍に 原子力小型モジュールとは?
小型モジュール炉(SMR:Small modular reactor)は最近一気に注目を集め株価の上昇が起こっています。少しややこしいのが、ニュースケール・パワーという原子炉開発の企業のティッカーシンボルが$SMRとなっています。以降本記事では、SMRとは小型原子炉モジュールのことを指します。
それでは、SMRとはそもそも何か、そこからお話しさせていただきます!
SMRは小さい原子力発電所
SMR(小型モジュール炉)は、核分裂によって発生した熱を電力に変換するという基本原理は従来の原子炉と同様ですが、「小型化」と「モジュール化」という新たな特徴を持っています。従来型の軽水炉と同じく、減速材や冷却材には軽水などを使用し、核分裂反応による熱エネルギーで水を蒸気に変えタービンを回す仕組みです。
この小型モジュール炉の特筆すべき点は、安全性、生産性、柔軟性の向上にあります。小型で低出力な設計により冷却が容易で、万が一の事故時でもリスクを低減できます。また、モジュール型を採用することで、原発のパーツを工場で大量生産し、現地で組み立てることが可能になり、建設コストの削減が期待されています。さらに、設置場所に応じた出力の調整が可能で、エネルギー需要に柔軟に対応できます。僻地や送電網が不十分な地域でも活用が見込まれ、必要に応じてモジュールを追加することで大規模な電力供給にも対応できます。
SMRは従来の大型原子炉に比べて出力が小さく、一般的には300MW以下の電気出力を持つ原子炉ですが、従来の原発の課題を解決する可能性を秘めた新しい技術として、世界各地で注目されています。
SMRの3つの特徴
SMRはよく以下の3つの特徴が挙げられます。
- 安全性
小型・低出力であることを活かし、事故時に自然に停止・冷却する固有・受動安全性を高めている。安全系設備の簡素化や系統数削減により、故障や人為的ミスのリスク低減、建設・保守コストの削減が可能となる。
- 工場生産性
工場でのモジュール製造、トラック等による運搬、建設地での据付・組立により、品質維持・向上、工期短縮、建設コスト削減が見込める。
- 柔軟性
送電網が未発達な地域にも電力需要に応じた設置が可能。蓄熱設備等との併設で機動的な出力制御が可能となり、再生可能エネルギーの出力変動調整や水素製造プラント、産業・地域への熱供給源としての利用も期待できる。
2. 最近SMR関連が急上昇している理由
先月10月中旬以降、SMR関連銘柄は急上昇を見せています。
最近、SMR関連株価が上昇している背景には、米国の大手テクノロジー企業による原子力発電への投資が挙げられます。特に、AmazonやGoogleなどの企業がSMRプロジェクトに資金を投入し始めたことが影響しているとみられます。
これらの企業は、AIやデータセンターの急増する電力需要に対応するため、安定した電力供給源として原子力がいいのではないかと考えられているわけです。例えば、Amazonは約5億ドルを投じてSMR開発企業に出資し、新たなエネルギー供給源としての可能性を探っています。
以前こちらの記事でも紹介させていただいた、オクロはこの影響によって一週間で株価は2倍以上になりました。
オクロはChatGPTを開発するOpenAIのサム・アルトマンが会長を務めており、大きな注目を集めています。
3. ニュースケールパワー($SMR)とはどんな企業なの
SMRの先駆者的存在
ニュースケールパワー(NuScale Power Corporation)は、オレゴン州ポートランドに本社を置く、小型モジュール炉 (SMR) 開発の先駆者的存在の企業です。そのためティッカーシンボルもSMRとしています。わかりやすいですね。
ニュースケールは2020年に米国原子力規制委員会(NRC)から初のSMR設計認証を取得しました。この認証は、同社の技術が商業化に向けて重要なステップとなりました。
ニュースケールのSMRの技術
ニュースケールのSMRは、直径約4.5メートル、高さ約23メートルのコンパクトな設計で、1基あたり77メガワットの電力を発電します。これらのモジュールは、工場で製造・組み立てられ、現地に輸送されて設置されるため、建設期間の短縮とコスト削減が可能です。また、最大12基のモジュールを組み合わせてプラントを構成でき、柔軟な電力供給が実現します。
自然循環を利用した安全システム
ニュースケールのSMRは、自然循環による冷却システムを採用し、外部電源やポンプに依存しない受動的な安全機能を備えています。これにより、緊急時でも自動的に冷却が行われ、炉心溶融のリスクを低減します。さらに、全てのモジュールが地下プール内に収められる設計となっており、外部からの影響を最小限に抑えます。
日本企業出資も、2023年には計画頓挫
ニュースケールパワーは、日本企業の日揮ホールディングスやIHI、中部電力などからも出資を受けながらユタ州でのプロジェクトを進めていました。しかしながら、2023年11月にそのプロジェクト中止が発表されました。発電コストの引き下げが進まず、経済的に成り立たないと判断したそうです。
引用: 米政府支援の「小型モジュール原子炉(SMR)」活用の脱炭素発電事業が頓挫、終了へ。発電コスト高で経済的に成り立たず。日本から日揮、IHI等も参画。資源エネ庁もHPで“称賛”(RIEF)
3. SMRの将来性は?
脱炭素化と安定した電力供給の両立を目指す現代において、SMRは重要な選択肢の一つとなるかもしれません。
一方で課題も多く、SMRの実用化や普及には技術的・経済的な課題の克服が不可欠です。また、原子力発電に対する社会的受容性や安全性の確保など、慎重な検討も必要です。
先述の通りGoogleやマイクロソフト、Amazonなどが出資を発表したのはつい最近のことです。新技術ということで、実用化まではまだ時間がかかるかもしれませんが、これら大手テック企業が期待をしていることは確かです。彼らにとって(もちろん私たちにとっても)、電力・エネルギー不足問題は深刻です。
ニュースケールやオクロのようなSMR企業や大手企業がどのような動向を示すのか、注目が集まっています。
4. SMR(小型原子炉モジュール)関連銘柄まとめ
以下は、SMRの関連銘柄をまとめました!まだまだ開発中の事業のため、企業数は多くはありません。今後の動向を見るという点においても、是非タップしてチェックしてみてください!
参考
https://rief-jp.org/ct5/140464
https://www.ihi.co.jp/technology/techinfo/contentsno/120087713491.html
https://www.ihi.co.jp/allnews/2021/resourcesenergyenvironment/11974163345.html
https://www.atx-research.co.jp/contents/2024/01/26/smr
https://diamond.jp/zai/articles/-/1040849
https://www.atx-research.co.jp/contents/2024/01/26/smr
https://gigazine.net/news/20241017-amazon-investing-small-module-reactors/
https://www.jaea.go.jp/04/sefard/ordinary/2022/2022090901.html