February 24, 2025
1年で+900%超 あの大手SDカードメーカーに何が?

1年で+900%超 あの大手SDカードメーカーに何が?
昨年の2025年、S&P500構成銘柄の中で最も強さを見せたのがサンディスク($SNDK)でした。昨年2月からの株価上昇率は、+900%超。サンディスクといえばSDカードなどのメモリ媒体で知られる企業。昨年から何があったのでしょうか。報道を元に、わかりやすく解説します。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)- サンディスクが約1年で+900%の上昇
- SDカードと言えば...って企業👀
- S&P500で最も強い銘柄のひとつに
- なぜサンディスクが伸びているのか
- ①転機は昨年の事業独立
- ②AI市場からの注目が熱い
- アナリスト評価も「強気」📈
サンディスクが約1年で+900%の上昇
SDカードと言えば...って企業👀
サンディスク(Sandisk)は、電源を切ってもデータが消えない「NAND(ナンド)フラッシュメモリ」を使った保存用ストレージ製品を中心に展開する企業です。
身近なところだと、SDカード、USBメモリ、外付けSSDなどで有名です。カメラを使う人なら誰もが見かけたことのあるフラッシュメモリ大手です。筆者もカメラが趣味のため、サンディスクのSDカードを大量に持っています。
サンディスクはもともとはフラッシュメモリ分野の先駆けとして成長し、2016年にWestern Digital($WD)の傘下に入りましたが、2025年2月24日にウェスタンデジタルからの分社化し、独立した上場企業として再出発しました。
分社化後は、サンディスクがSSDやメモリーカードなどフラッシュメモリ専業、ウェスタンデジタルはHDD専業という棲み分けになっています。
S&P500で最も強い銘柄のひとつに
そんなサンディスクが昨年2025年にS&P500構成銘柄の中で最も強い成績(総リターン+559%)を記録したと報じられました。
さらに年が明けた2026年も、年初から約2週間で+72%と再び指数内の最上位クラスの伸びを示し、話題になっています。
2026年1月26日現在、株価は約1年前(2025年2月の再上場以降)と比べて900%を超えています。伸びすぎです。

直近1年間のSandisk $SNDK の株価 / woodstock
ここで出てくる「総リターン」は、値上がり益だけでなく配当なども含めたトータルの成績を指す言い方です。S&P500は米国の大型株約500社で構成される代表的な指数です。その中でトップ並の成績になるというだけで相当インパクトがあります。
しかも今回は「前年トップが今年も強い」という点が注目されています。Sherwoodなどの一部記事によれば、S&P500構成銘柄で年間トップを2年連続で取る例は(少なくとも現代では)見当たらないと指摘されています。
要するに、サンディスクの動きは「一年だけのサプライズ」では収まらず、マーケットの視線を集め続けているということです。
なぜサンディスクが伸びているのか
では、なぜサンディスクの株価が伸びているのか、今回は二つの理由を解説します。
①転機は昨年の事業独立
サンディスクは、ウェスタンデジタル(WesternDigital)から分離独立をしました。
サンディスクは2025年2月、分離を完了してNASDAQでティッカーSNDKとして取引を開始しました。2016年にウエスタンデジタルに買収され上場廃止以来、再上場を果たした形です。
独立の理由として、HDDとNAND(フラッシュ)で事業の性格が違いすぎるため、分けた方がそれぞれに集中できて評価も分かりやすくなるため、という趣旨の発表がされています。
サンディスクはフラッシュストレージ、特にNAND(ナンド)に軸足を置く企業です。
NANDとはざっくり言えば、「スマホやPC、データセンターなどで使われるフラッシュメモリの一種で、SSD(高速な保存装置)を支える重要部品」です。
一方、ウエスタンデジタルはHDDを専門に取り扱う企業です。何が違うんや?という感じですが、HDDは昔からある回るディスクの保存装置です。
中で円盤が回転していて、そこにデータを書き込みます。最大の強みは 容量あたりの値段が安いこと。動画や写真、バックアップみたいに「とにかく大量に保存したい」用途で強いです。すぐ使うデータというより倉庫として置いておくデータ(アーカイブ)に向いています。
NANDとHDDでは市場の性格が違います。HDDはサーバー向けの大容量保存が中心で、世代交代は比較的ゆっくり。安定供給やコスト管理、容量単価の引き下げが勝負どころです。
一方NANDは半導体に近く、需給で価格が動きやすいため業績が市況に左右されがちで、設備投資の判断も重くなります。
この2つが同じ会社に入っていると評価が混ざって分かりにくい。そこで、分社化してそれぞれの市場に合わせて経営を最適化し、投資家にも実態を見えやすくした、というのが独立の狙いということです。
そしてもう一つ、サンディスクの株価を大きく伸ばしている要因があります。
②AI市場からの注目が熱い
「サンディスクはSDカードの会社」と紹介しましたが、現在はAI関連銘柄として注目を集めています。
特に直近で起爆剤となったのはNVIDIAのCEO、ジェンスン・フアン氏のCES2026での発言です。「メモリストレージは未開拓市場」という趣旨の発言をしたことでサンディスクの株価が上昇しました。
AIの話題はGPU(計算)に目が行きがちですが、実際にはデータの置き場所も同じくらい重要です。AIモデルの学習や運用には膨大なデータが必要で、それを蓄えるだけでなく、必要なときに素早く読み書きできる環境が欠かせません。そこでSSDやフラッシュメモリの存在感が増しています。
さらに、AIが広がるほど「学習(training)」だけでなく「推論(inference)」の比重が増えていきます。推論はサービスとして毎日使われる段階に近いので、利用が広がるほどデータの読み書き回数も増えやすい、というイメージです。
加えて、メモリ・ストレージは供給能力を増やすのに時間がかかりやすい業界です。需要が強い局面では「足りない」が意識されやすく、価格や市況が注目されやすくなります。
つまりサンディスクは、「AIでデータが爆発的に増える → 保存と読み書きが重要になる → フラッシュ(NAND)に注目が集まる」という流れで株価を上昇させたという形です。
アナリスト評価も「強気」📈
金融アナリストたちも注目をしています。

アナリスト17人による評価(benzinga)/ woodstock
Investopediaによれば、Citiはサンディスクの目標株価を280ドルから490ドルへ引き上げ、同時に2026年のEPS(1株利益)予想を13.96ドル→17.78ドルへ上方修正したと伝えられています。
サンディスクの四半期決算は1月29日。
昨年からの勢いそのままに伸び続けるのか、AI市場とともに注目が集まっています。
参考文献
- Crowther, D., & Oh, C. Y. (2026, January 16). Sandisk beat the entire S&P 500 in 2025… and it’s doing the same again this year. Sherwood News. Retrieved January 26, 2026, from https://sherwood.news/markets/sandisk-beat-entire-s-and-p-500-in-2025-and-its-doing-it-again-this-year/
- Kim, C. (2026, January 20). This stock has had the best 2026 in the S&P 500. It just got another boost. Investopedia. Retrieved January 26, 2026, from https://www.investopedia.com/this-stock-has-had-the-best-2026-in-the-s-and-p-500-it-just-got-another-boost-sandisk-sndk-11889019
- ITmedia PC USER. (2025, February 27). 「Western Digital(WD)」が「Sandisk」の分離を完了 SSDを含むフラッシュメモリ関連事業を移管. ITmedia PC USER. Retrieved January 26, 2026, from https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2502/27/news174.html